2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24570030
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
波利井 佐紀 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (30334535)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 造礁サンゴ類 / 共生褐虫藻 / 初期生活史 / 緯度勾配 |
Research Abstract |
多くの造礁サンゴは、浮遊幼生が分散・定着する生活史初期に、定着環境に分布している複数の共生藻類(褐虫藻)の遺伝的タイプを取り込んで共生を成立させる。本研究の目的は、サンゴ幼生が低緯度から高緯度へと緯度勾配のある海域へ分散した後、成体サンゴとは異なる水温・光環境下で生理特性の違う褐虫藻タイプとどのように共生するのかを明らかにして、分散先の環境への適応過程を考察することである。 本年度はサンゴ数種を対象に、緯度の異なる3海域で稚サンゴを移植、飼育し、環境中にどのタイプの褐虫藻が分布しており、稚サンゴはその中からどのタイプを獲得するのか、成長とともにそれがどのように変化して共生を成立させるのかを調べた。同時に、海洋環境の違いとして水温、光量子量を測定した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初の予定通り、成体サンゴより採卵し、稚サンゴを移植・飼育し、共生褐虫藻タイプについて数ヶ月間の経時変化を調べた。その間、十分な試料を得て海域間を比較することができたため、順調に研究が進展したといえる。 具体的には、沖縄瀬底島よりサンゴ類を採取し、採卵・受精させ幼生を得て、瀬底、天草、高知へ輸送し稚サンゴを作成した。稚サンゴの長期野外飼育は困難さが伴うが(死亡率が高い、台風などのかく乱がある等)、設置1ヶ月後、3ヶ月後、6ヶ月後、9ヶ月後(沖縄のみ)に採取することに成功し、褐虫藻タイプについて遺伝子解析を行った。また、同時に海洋環境中(水柱)の採水を行い、分布している褐虫藻タイプについて調べた。 これらの成果の一部は、日本サンゴ礁学会等にて公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に引き続き、生残している稚サンゴの採集し、得られた試料の遺伝子解析を行い、どのように褐虫藻タイプが変化するかを明らかにする。また、H25年度の産卵時期に新たしく稚サンゴを作成し、同様に野外で飼育し、獲得される褐虫藻タイプの年変動を明らかに、環境中のタイプと比較を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品として、遺伝子解析に必要な試薬やおよびチップ等の消耗品費、塩基配列を特定するためのシーケンス解析費、および野外調査に必要な採集道具やサンプル瓶、電池代を予定している。なお、得られた試料の遺伝子解析を継続しており、昨年度からの経費はそのために必要な試薬類を購入予定である。 旅費として、申請者と連携研究者の野外調査および学術会議出席を予定している。 試料は多くなることが予想されるため、謝金として研究補助を雇い分析の効率化をはかる。
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Research Products
(3 results)