2013 Fiscal Year Research-status Report
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24570030
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
波利井 佐紀 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (30334535)
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Keywords | 造礁サンゴ類 / 共生褐虫藻 / 初期生活史 / 緯度勾配 |
Research Abstract |
多くの造礁サンゴは、浮遊幼生が分散・定着する生活史初期に、定着環境に分布している複数の共生藻類(褐虫藻)の遺伝的タイプを取り込んで共生を成立させる。本研究の目的は、サンゴ幼生が低緯度から高緯度へと緯度勾配のある海域へ分散した後、成体サンゴとは異なる水温・光環境下で生理特性の違う褐虫藻タイプとどのように共生するのかを明らかにして、分散先の環境への適応過程を考察することである。 今年度は昨年度、得られた稚サンゴおよび環境中の褐虫藻タイプを特定した。また、サンゴ数種を対象に、新たに野外飼育実験を行った。昨年度、稚サンゴの飼育に成功した緯度の異なる海域2か所に稚サンゴを移植、飼育し、生残率および成長率を計測したほか、遺伝子解析用の試料を得た。同時に海水を採水し、海洋環境中にどのタイプの褐虫藻が分布しているかを特定し、分析を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は当初の予定通り、昨年度より継続して稚サンゴ試料から分子解析を行い結果を得た。また、新たに成体サンゴより採卵し、稚サンゴを移植・飼育し、成長や生残の他、共生褐虫藻タイプについて数ヶ月間の経時変化を調べた。その間、十分な試料を得て海域間を比較することができたため、順調に研究が進展したといえる。 これらの成果の一部は、日本動物学会や日本サンゴ礁学会等にて公表した。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の未分析の試料と、現在生残している稚サンゴの試料のを追加し、遺伝子解析を行い、褐虫藻タイプの経時変化を明らかにする。 得られたすべてのデータの解析を行い考察し、学術会議や雑誌等にて公表する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究では、得られた試料の遺伝子解析を行っている。分析途中で、使用していた機械が故障し、一時的に分析できなくなり、そのための試薬とシーケンス解析代および人件費を次年度に回すこととなった。 機械を修理し使用可能となったため、昨年度分析予定だった残りの試料の分析を行う。そのための試薬およびシーケンス解析代および、迅速にデータを分析するための人材を雇用するために用いる。
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Research Products
(4 results)