2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24570030
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
波利井 佐紀 琉球大学, 熱帯生物圏研究センター, 准教授 (30334535)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 造礁サンゴ類 / 共生褐虫藻 / 初期生活史 / 緯度勾配 |
Outline of Annual Research Achievements |
多くの造礁サンゴ類は浮遊幼生が分散、定着する初期生活史に、定着環境に分布している複数の共生藻類(褐虫藻)の遺伝的タイプを取り込んで共生を成立させる。本研究の目的は、サンゴ幼生が低緯度(亜熱帯)から高緯度(温帯)へ緯度紅梅のある海域得分散した後、成体サンゴとは異なる水温・光環境下で生理特性の異なる褐虫藻遺伝的タイプとどのように共生するのかを明らかにして、分散先への環境への適応過程を考察することである。 これまでに、サンゴ3種類を用いて定着した稚サンゴを亜熱帯・温帯の2海域に移植し、定期的に採取を行いDNA解析により褐虫藻組成の違いを明らかにした。その結果、種類に関係なく、概ね両海域で褐虫藻組成のパターンが分かれることが明らかとなった。また、成長とともにその組成が変化した。獲得褐虫藻組成は主に地点間での差があったこと、採取時期ごとに分かれたことから、稚サンゴは種間の差よりも生息環境の環境条件や成長段階に合わせて褐虫藻を獲得し、共生することが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画通り、得られた稚サンゴ試料から分子解析を行い、得られた塩基配列をデータベースと照合し解析を進めた。また、海洋環境中からも褐虫藻タイプを明らかにするため、分子解析を行っている。これらの成果は、学術大会にて公表している。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度、分子解析の一部でDNA配列が十分に得られない個体があった。そのため解析手法の再検討を行い、データを分析予定である。また、分析に必要な機器が壊れ、一部の作業を延期させた(現在は修理済み)。今年度はその残りの資料を解析予定である。
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Causes of Carryover |
本研究では、緯度の異なる海域へ稚サンゴを移植し、体内の共生藻類の遺伝子型を調べている。今年度、得られた試料よりDNA解析を進めていたが、一部の試料でDNAの増幅が確認されず、分析手法の再検討が必要となった。また、年度の途中に、分析に使用していた機械が壊れ、修理の間、一部の作業を延期させた。そのため塩基配列決定のためのシーケンス等の未使用額が発生した。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
継続して、得られた試料の塩基配列解析を行う。そのための試料分析および、期間内に終了するための研究補助を雇用し、未使用額はその経費に充てる。
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Research Products
(4 results)