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2012 Fiscal Year Research-status Report

島嶼環境における生物群集の成立機序と適応進化のゲノミクス

Research Project

Project/Area Number 24570031
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionToho University

Principal Investigator

長谷川 雅美  東邦大学, 理学部, 教授 (40250162)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 森 哲  京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 准教授 (80271005)
Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsバイオインフォマティクス解析
Research Abstract

シマヘビから採取した体組織(筋肉と肝臓)から抽出したDNAを次世代シーケンサによる解析とデータマイニングを行う。それにより、SSRマーカーになりうる配列の検索とPCRプライマーの設計、他のモデル生物で明らかになっている遺伝子と相同な配列の検索とユニバーサルプライマーの設計を行い、25年度に行うべき集団遺伝学的解析に備えた。
伊豆大島のシマヘビは全て黒化型であるが、同じクレードに属する伊豆半島集団では約90%がストライプ型で、約10%が黒化型であった。黒化型が劣性ホモ接合型であれば、黒化型の雌もストライプ型の雌も交尾相手の遺伝子型に応じてストライプ型と黒化型の子を産む。一方、ストライプ型と非ストライプ型が不完全優性ならば、中間型が存在し、ストライプ型は決して非ストライプ型の子を産まず、非ストライプ型はストライプ型の子は産むことはない。伊豆大島、伊豆半島、新島と神津島で採取した雌ヘビを産卵させ、子ヘビの色彩パタンを判別し、同様に遺伝様式を解析した。
シマヘビの色彩型は、表皮及び真皮層の色素細胞の構成と配列によって決まっているため、色彩型を決める遺伝子は、色素細胞の分化に関わる遺伝子群の中に存在すると仮定できる。そこで、ゲノムレベルでの解析では、可能な限り同じクレードに属する3つのホモ接合色彩型(ストライプ型、非ストライプ型、黒化型)個体のゲノムを読み、相互に相同な配列の検索を行う。色彩型以外の表現型形質では差がない個体同志のゲノムを比較するため、マッチングの強さを基準にして、色彩型の違いをもたらす遺伝子領域を絞り込む。そのため、ストライプ型と黒化型のヘビの皮膚からRNAを抽出し、転写発現解析のための配列解析を次世代シーケンサを用いて行った。バイオインフォマティクス解析は平成25年度に行う予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

色彩型の違いを生み出す色素細胞の構成を明らかにしたうえで、ストライプ型と黒化型の皮膚から遺伝子転写産物であるmRNAを抽出し、その配列解析に取り掛かることができたのは大きな成果であった。本来25年度に予定した内容であったが、先駆けることができた。また、遺伝様式の解明のため、異なる色彩型のメスが産んだ卵から孵化した幼体の色彩型を判別する方法論を確立することができた。一方、行動学的解析が遅れているので、予定していた野外実験を実施することが課題である。

Strategy for Future Research Activity

ストライプ型と黒化型のに加え、非ストライプ型の皮膚からも遺伝子転写産物であるmRNAを抽出し、その配列解析に取り掛かりたい。それによって、色素細胞構成の違い(黒化型は黄色色素胞と虹色素胞欠失型)をもたらす遺伝子と、ストライプの強弱にかかわる遺伝子の探索につなげていく。
さらに、色彩型以外の表現型形質では差がない個体同志のゲノムを比較するため、マッチングの強さを基準にして、色彩型の違いをもたらす遺伝子領域を絞り込む。さらに、すでに開発され、染色体上へのマッピングがなされているシマヘビESTマーカー配列、モデル生物、ゲノム解析の進んでいる非モデル生物との相同性検索を進め、関連する遺伝子領域を絞り込んでいく。
その後、MC1R遺伝子など、これまで色彩多型の遺伝解析に用いられてきた候補遺伝子の解析も進め、遺伝子系図のパタン及び候補遺伝子の多型配列情報から同義置換、非同義置換率の比較を行い、自然選択の統計的検出を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度はゲノム解析の方法論の検討に時間を費やし実施が遅れた。すでに解析を進めているので遅れた分は平成25年度の早い時期に支出予定である。平成25年度は、サンプルの採集のための旅費及び、次世代シーケンサを用いた配列解析を行う。さらに、バイオインフォマティクス解析を行なうため、共同研究者であるMatt Brandley博士を招聘する。

  • Research Products

    (1 results)

All Other

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] Current Ecological and Evolutionary Dynamics among Lizard and Snakes Following Colonization to the Oceanic Islands

    • Author(s)
      Masami Hasegawa, Takeo Kuriyama (Toho University), Matthew C. Brandley (University of Sydney), Gaku Takimoto (Toho University)
    • Organizer
      第28回個体群生態学会
    • Place of Presentation
      東邦大学(千葉県)

URL: 

Published: 2014-07-24  

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