2013 Fiscal Year Research-status Report
高山植物数種における各種環境への化学的適応の多様性の解明
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24570035
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Research Institution | National Museum of Nature and Science, Tokyo |
Principal Investigator |
岩科 司 独立行政法人国立科学博物館, 植物研究部, 部長 (30151731)
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Keywords | 化学的適応 / 高山植物 / フラボノイド / 紫外線防御 / ストレス耐性 |
Research Abstract |
本研究では、紫外線、低温、pH,貧栄養などの各種ストレスがかかる高山帯に生育する代表的な植物に焦点をあて、これらが合成するフラボノイドなどのポリフェノールによる各種環境への化学的適応を解明することを目的としている。これを踏まえて、平成25年度には、平成25年度の大雪山、鳥海山、月山などで採集したウルップソウ類、ヨモギ類、シオガマギク類、トウヒレン類、イワブクロ、チョウノスケソウなどの葉に含まれるポリフェノール化合物を分析した。 またこれらとは別に、ブータンの標高4千メートルを越える高山帯で、シオガマギク類やメコノプシス類を調査採集し、これらのポリフェノール成分を分析した。これらの植物のうち、ヨモギ属とシオガマギク属についてはそれぞれ学会での発表を行った。また前年まで行っていたイワショウブについては論文として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度に採集を行った植物群については、今年度中にそれらに含まれるポリフェノール化合物について、かなり分離同定を行うことが出来たが、他の仕事が多く、今年度は新たな山域での調査を行うことが出来なかった。しかし、その代わりに、ブータンにおいて、日本ではあり得ない標高の4千-5千メートルに生育する数種の植物について調査を行うことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度も引き続き、東北地方の山、特に蛇紋岩のような特殊な基質で出来ている山を中心に、植物を調査し、これらの各種環境に対する化学的適応を解明する。また、これまで採集することができたものについて、いっそうの解析を進め、複数の論文の出版および学会での口頭発表を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
国内での調査を行う旅費を予定していたが、悪天候のために、中止したため。 昨年行うことが出来なかった調査を行うための旅費とする。
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Research Products
(6 results)