2014 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリア膜リン脂質変異株が示す呼吸阻害と低温感受性に関する生理生化学的研究
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24570040
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Research Institution | Saitama University |
Principal Investigator |
西田 生郎 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (40189288)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | AOX呼吸活性 / ホスファチジルエタノールアミン / pect1-4 / 早期花成 / cct1-2 / ap3様ホメオティック変異 / 低温感受性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. pect1-4株は、野生型に較べ、長日・短日いずれの条件でも早期花成を示し、花成制御経路の自律経路/春化経路を支配するFLCの発現レベルが低下することを確認した。 2. CCT1過剰発現変異株であるcct1-2も早期花成を示すが、cct1-2もFLCの発現レベルが低下することがわかった。CCT1の過剰発現は、PC合成を増大させるが、同時にPE合成を相対的に低下させる。したがって、pect1-4とcct1-2は同じような経路で早期花成をしめると推定される。 3. 野生株は低温にするとAOX活性がいったん低下するが、時間とともに回復する。一方、pect1-4株では、低温で低下したAOX活性が時間をおいても回復してこない。そこで、pect1-4とaox1aの遺伝学的相互作用を検証するために、二重変異株の作出を試みた。その結果、pect1-4 aox1aは胚性致死を示すこと、pect1-4 apc1a/AOX1aも部分的に種子成熟を阻害することを見いだした 4. ap3様のホメオティック変異を示さないcct1-3およびcct2-3株を入手し、二重変異株を作出したところ、二重変異株は胚性致死を示した。また、cct1-3 cct2-3/CCT2株も部分的に種子成熟不全を示した。さらに、cct1-3 cct2-3/CCT2株の花は、部分的にap3様ホメオティック変異を示した。 5. ap3様のホメオティック変異を示すcct1-1とap3様のホメオティック変異を示さないcct2-1の二重変異株cct1-1 cct2-1はホメオティック変異の程度が激しくなり、cct1-1 cct2-1株にCCT1過剰変異株cct1-2を掛け合わせると、ホメオティック変異が軽減することを示した。これらの結果は、ap3様のホメオティック変異の発現に、CCT発現レベルが影響することを示している。
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Research Products
(5 results)
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[Journal Article] Epigenetic floral homeotic mutation in pD991-AP3-derived T-DNA-tagged lines for CTP:phosphorylcholine Cytidylyltransferase (CCT) genes: the homeotic mutation of the cct1-1 allele is enhanced by the cct2 allele and alleviated by CCT1 overexpression.2015
Author(s)
Hayakawa, Y., Duan, Z., Yadake, M., Tsukano, J., Yamaoka, Y., Inatsugi, R., Fujiki, Y. Oikawa, A., Saito, K. and Nishida, I.
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Journal Title
J. Plant Biol.
Volume: 58
Pages: 183-192
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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