2013 Fiscal Year Research-status Report
葉緑体ppGppシグナルの人工構築による植物緊縮制御の解析
Project/Area Number |
24570054
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
戸澤 譲 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (90363267)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小川 敦司 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 准教授 (30442940)
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Keywords | 葉緑体 / ppGpp / 緊縮制御 / リボスイッチ |
Research Abstract |
本課題では、植物葉緑体の緊縮制御を司る複数のppGpp合成・分解酵素機能の生化学的解析を通じて、ppGppシグナル機構について明らかにするとともに、葉緑体内のppGpp標的分子を明らかにすることを目的とする。同時に新技術を取り入れた分子生物学的解析により、ppGppシグナルがもたらす植物内の生理学的変化を解明する。 平成25年度には(1)高等植物の葉緑体におけるppGpp標的分子として、新たにguanylate kinase(GK)を同定し、J. Biol. Chem.にて論文として成果発表した。また、(2)テオフィリン誘導型リボスイッチ制御系をラン藻を宿主として構築し、Plant Cell Physiol.に成果報告をした。これらの成果は国内学会でも複数報告した。さらに、タバコ葉緑体ゲノムの相同性組換えによりテオフィリン誘導型リボスイッチと枯草菌のppGpp合成酵素遺伝子yjbMを利用した人工ppGpp合成系の構築を進め、複数の組換え体の選抜まで完了し、現在細分化植物の解析を進めている。今年度はさらに、好熱菌由来のppGpp分解酵素のX線結晶構造解析も完了し、現在論文として投稿準備中である。また、葉緑体のppGpp分解酵素の生化学的解析も完了してこれも論文の投稿準備を進めている。また、GKの機能比較より、イネ、シロイヌナズナ、エンドウマメなどの葉緑体内のGKとラン藻Synechococcus elogatus PCC6803のGKとではppGpp感受性が異なることも見出し、ラン藻が単なる葉緑体のプロトタイプでは無いことを改めて確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初想定していた植物葉緑体におけるppGppの標的分子は翻訳装置であったが、翻訳装置よりも遥かにppGppに感受性の高いタンパク質装置としてGTP合成系に昨日しているguanylate kinase (GK)を新たに同定することに成功した。さらに、大腸菌と枯草菌のGKがppGppに対し、全く異なる感受性を有することも初めて明らかにすることに成功し、これらの成果をJ. Biol. Chem.に報告できた。これは予期した達成度を上回っていると考える。また、リボスイッチを利用した人工的なppGpp合成系の構築もほぼ完了し、ラン藻におけるリボスイッチシステム構築の成果をPlant Cell Physiol.に報告できた。今年度はさらに、好熱菌由来のppGpp分解酵素のX線結晶構造解析も完了し、学会報告も行った。現在、論文投稿の準備中である。また、葉緑体のppGpp分解酵素の生化学的解析も完了してこれも論文の投稿準備を進めている。律速は原稿作成となり、実質的な研究成果は予想外に大きなものとなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度には、タバコ葉緑体形質転換に成功し、リボスイッチ制御型のppGpp合成系構築作業をほぼ完了している。最終年度には、この再分化植物個体を利用したppGppがもたらす植物生理学的な変化を解析する。 平成25年度にはさらに、GKの機能比較より、イネ、シロイヌナズナ、エンドウマメなどの葉緑体内のGKとラン藻S. elogatus PCC6803のGKとではppGpp感受性が異なることも見出し、ラン藻が単なる葉緑体のプロトタイプでは無いことを改めて確認している。最終年度には、ラン藻の光合成機能とppGppシグナルとの関係性についての知見を得るため、リボスイッチ制御型ppGpp酵素を組込んだラン藻を対象とした解析実験も平行して進める。 最終年度内には、葉緑体のppGpp分解酵素の生化学的解析の成果をまとめた原著論文、好熱菌由来のppGpp分解酵素のX線結晶構造解析結果をまとめた原著論文、ラン藻の人工リボスイッチによるppGppシグナル制御系に関する成果をまとめた原著論文の受理を目指し、さらにタバコ葉緑体ゲノム形質転換体の解析完了と成果の原著論文の投稿完了を目標として研究を推進する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度には、25年度に作製したタバコの組換え植物の分子生物学的実験のために、リアルタイムPCRなどの試薬としてまとまった費用を必要とする。当初の予算計画ではこの物品費が不足することが予想されたため、108993円を繰り越すこととした。 リアルタイムPCRのプライマー合成および解析用試薬の購入費用(物品費)として使用する。
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Research Products
(6 results)
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[Journal Article] Diversity in Guanosine 3',5'-Bisdiphosphate (ppGpp) Sensitivity Among Guanylate Kinases of Bacteria and Plants.2014
Author(s)
Yuhta Nomura, Atsushi Izumi, Yoshinori Fukunaga, Kensuke Kusumi, Koh Iba, Seiya Watanabe, Yoichi Nakahira, Andreas P. M. Weber, Akira Nozawa, and Yuzuru Tozawa
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Journal Title
J. Biol. Chem.
Volume: On line
Pages: in press
DOI
Peer Reviewed
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