2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24570060
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
堀口 吾朗 立教大学, 理学部, 准教授 (70342847)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | リボソーム / シロイヌナズナ / 背腹性 / as2 / 転写因子 / 葉 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではリボソームタンパク質が欠損した種々の変異株が示す発生異常について、リボソームの質的・量的な異常を明らかにすること、それによって影響を受ける遺伝子を見出しその発生制御における役割を明らかにすることに焦点を当てた解析を行った。とりわけ、rpl4d変異株がas2変異が示す葉の背腹性異常を劇的に強める現象に関して進展があった。まず、rpl4d変異株ではRPL4D mRNAの蓄積量が大幅に減少しているが、異常なRPL4Dタンパク質を合成しうる構造のmRNAが低レベルで蓄積することを見出した。そこで、RPL4Dの量の減少をRPL4Dに対するRNAiで、質的な変化をC末端を欠く異常なRPL4Dタンパク質の過剰発現で再現した。その結果、RPL4Dの量の減少よりも、質の変化の方が背腹性異常を強く誘導することを見出した。また、rpl4d as2変異による背腹性異常を抑圧する変異株を多数単離し、その中の一つにおいて転写因子のANAC103/SZK1が変異していることを見出した。qRT-PCRとin situ hybridizationにより、rpl4d変異株では葉原基の表側領域でSZK1遺伝子が過剰発現することが明らかになった。さらに、サプレッサーの原因遺伝子としてRING fingerタンパク質をコードするSZK2および、リボソームタンパク質のRPL12Bを同定した。RING fingerタンパク質は特異的タンパク質分解に関わるubiquitin E3 ligaseとして働く場合が多い。また、これらのサプレッサー変異株ではSZK1の高発現が抑制されていた。これらの結果は、リボソームに関連する何らかの異常が引き金となり、 SKZ1を活性化することで背腹性異常をもたらす可能性を示唆する。
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Research Products
(7 results)