2012 Fiscal Year Research-status Report
精上皮に発現するイムノグロブリンスーパーファミリー分子Ceacamの解析
Project/Area Number |
24570073
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
飯田 弘 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (70150399)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イムノグロブリンスーパーファミリー / Ceacam / 精上皮 / 精子形成 / 精子細胞 / セルトリ細胞 / 免疫組織化学的方法 / 分子間相互作用 |
Research Abstract |
本研究は哺乳類の精上皮に発現するスーパーファミリー(IGS)に属するCeacam1およびCeacam2 について、発現する分子構造、局在、分子複合体を明らかにすることを目的としている。Ceacam1はユビキタスに発現するが、Ceacam2は精巣特異的に発現することがRT-PCRによって確認されたので、本研究ではCeacam2に焦点をあてた。Ceacam2遺伝子はスプライシングによって2種の分子が形成され、どちらも典型的なIGS 様構造をとることが確認された。蛋白質の長さによりCeacam2-S(短分子)と Ceacam2-L(長分子)とし命名し、Ceacam2-Lに対して特異的ペプチド抗体を作成した。ウェスタンブロットおよび免疫組織化学的方法により、精巣における発現細胞と発現部位を調べた結果、Ceacam2-Lはマウス精上皮の伸長精子細胞の膨潤化した細胞質を包む形質膜に限局して存在することが判明した。この膨潤化した細胞質部分は、精子形成の最終段階でセルトリ細胞に取り込まれ処理される部位であるため、Ceacam2-Lが精子細胞とセルトリ細胞の相互作用に関わる重要な分子である可能性が推測された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は哺乳類の精上皮に発現するイムノグロブリンスーパーファミリーに属するCeacam2の分子構造と局在を明らかにすることを目的としており、ほぼその目的を達している。
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Strategy for Future Research Activity |
精細管に発現するIGS に属する接着分子は、シスーホモダイマーを形成するとともに、トランス的にホモあるいはヘテロ分子間結合することによって、細胞間接着分子としての機能を果たす可能性が高い。この分子複合体の構成を決定することは重要である。伸長精子細胞に発現するCeacam2-Lはセルトリ細胞の分子と相互作用すると推測されるので、セルトリ細胞に発現するIGSからCeacam2-Lと結合する分子を、免疫沈降/ウェスタンブロット方によって見いだす。すでに一つの候補分子を同定したので、これに焦点をあて、クロスリンカー処理による分子複合体解析、免疫組織化学的な分子局在解析および培養細胞へのトランスフェクションによる解析を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(5 results)