2014 Fiscal Year Research-status Report
セロトニントランスポーター遺伝子多型と学習行動との関連
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24570091
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Research Institution | Tokushima Bunri University |
Principal Investigator |
定本 久世 徳島文理大学, 薬学部, 助教 (70374220)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | セロトニントランスポーター / トランスクリプトーム / 遺伝子多型 / 3’UTR / 行動変化 / 一細胞イメージング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はセロトニントランスポーターの遺伝子多型と学習行動に関わる神経メカニズムを明らかにすることを目標としている。これまでにも哺乳類セロトニントランスポーター遺伝子多型と行動変化との関連が報告されているが、複数の報告間に一致した見解がなく、そのメカニズムも明らかにされていない。 申請者は、特定セロトニンニューロンと行動変化との関連が明らかな軟体動物を用い、セロトニントランスポーターmRNA上の遺伝子多型と行動変化との関連について解析を進めてきた。平成26年度は一神経細胞レベルでの目標分子挙動のイメージングを目指し、確立した実験系である哺乳類海馬神経細胞培養を用いて、蛍光3色イメージングを行った。申請者の所属機関においてはコンフォーカルレーザー顕微鏡LSM510が利用可能である。蛍光タンパク質Venusを発現する海馬抑制性培養神経細胞において、赤色蛍光タンパク質mCherry、青色蛍光タンパク質mTurquoise2によって標識した2種類の分子をウイルスベクターにより過剰発現させた。標識する目的分子として、ポストシナプスに存在する足場タンパク質であるSAPAP1/GKAPアイソフォームに着目し、神経細胞内の標識分子挙動の経時観察を試みた。また、平行してトランスクリプトームデータを利用した、遺伝子発現量比較の解析に取り組んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成26年度は単一細胞内の分子イメージング法を利用して、プレシナプス、ポストシナプス局在分子の蛍光標識タンパク質のウイルスベクターを作製、培養神経細胞におけるそれぞれの発現確認に成功した。また、2種類の細胞内分子の挙動と神経細胞形態の経時変化を同時解析し、これと合わせて神経細胞内の遺伝子発現量比較を行った。これと平行し、学習トレーニングを施した動物から作成した脳内発現遺伝子データを利用し、微量遺伝子の発現量比較法について複数の解析法を試行した。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度の実験でRNA-タンパク質複合体の回収、タンパク質の同定は全て終了しなかったため次年度も引き続き実験を続ける。複数標的タンパク質の細胞内挙動のライブイメージングを目指し、培養神経細胞を用いた3色蛍光イメージングによるシナプス分子の挙動解析を引き続き継続する。また、微量遺伝子の発現量比較法について複数の解析法について、今後も検討を続けたい。
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Causes of Carryover |
平成26年度の研究実施が遅れている部分について、次年度の研究計画に使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成26年度に計画していた実験の今後の遂行状況に合わせて、次年度以降の物品、論文投稿にかかるその他項目の必要経費として繰り越して使用したい。
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