2014 Fiscal Year Research-status Report
大規模生態群集に見られる多様性のパターンとその創出機構
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24570099
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
時田 恵一郎 名古屋大学, 情報科学研究科, 教授 (00263195)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 群集生態 / 相互作用 / 中立モデル / 多様性 / 種の豊富さのパターン / 国際研究者交流(米国,英国,台湾,韓国) / 国際情報交換(米国,英国,台湾,韓国) |
Outline of Annual Research Achievements |
熱帯雨林や珊瑚礁などの,多種からなる大規模生態群集において普遍的に観測される種個体数分布および種数面積関係などの「多様 性(種の豊富さ)のパターン」が生み出されるメカニズムの解明は,理学的にも環境保全などの応用上も重要な課題である.これに対し,多種群集の数理モデルを構築し,近年発展してきた統計物理学や集団遺伝学における理論的手法を用いた解析を行い,多様性のパターンがさまざまな群集パラメータにどのように依存するかを調べることが本研究の目的である.当該年度においては,現実に観測される多様性のパターンを示す多種群集の数理モデルとして種間相互作用が時間的に変動する適応的・進化的な群集モデルの振舞いを統計力学的な方法を用いて理論的に調べ,種間相互作用の時間変動が確かに群集の安定性や多様性に寄与することを見出した.さらに,中立性を破る 「格子ほぼ中立モデル」の振舞いをGPUを用いた超並列シミュレーションによって解析した結果,ある条件下では中立性を仮定しなくても完全な中立モデルと同じ種の豊富さのパターンや多様性を示すことがわかり,それらが種子や幼体が分散する距離に依存して変化することなどを新たに見出した.さらに隔離されていた生態系が交流を持つときの安定条件などの研究も行った.これらの結果により,本研究課題の目的である多様性のパターンの創出機構として,種間相互作用の適応的・進化的変動や種の分散距離の影響などを理論的に示すことができた.これらの結果について,1件の国際会議招待講演,1件の国内国際ワークショップ招待講演,1件の国内学会口頭発表を行い,査読付き国際論文誌に2件論文を発表した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究自体は予定通り進捗していると考える.一方,研究会や学会に出席して研究成果を発表するための出張は予定通り行ったが招待講演が多く,旅費を科研費から支出する機会が予定より少なかった.また,2014年度は学内業務のための出張が予想以上に多く,専門的知識や研究連絡のための出張を予定通り行うことができなかった.そのため旅費支出が50万円ほど予定を下回り,人件費謝金についても支出がなく,合計60万円の未使用額が生じたため,27年度に繰り越すこととなった.27年度は国内外学会への参加をより積極的に行う予定.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度得られた結果であるところの,相互作用が時間変動する多種群集モデルの統計力学的解析に関する論文を執筆・発表する.さらに,英国の共同研究者と集中的に議論する機会を作り,多種群集の数理モデルの統計力学的解析を進め,より現実的な適応的・進化的な多種群集モデルを数学的に厳密に解析する手法を構築し,多様性のパターンと群集パラメータとの関係を明らかにする.「格子ほぼ中立モデル」に関して得られた結果についても,生態学的にインパクトの高い仮説が得られたので,それを検証し,論文を執筆・発表する.研究計画にも書いた通り,韓国釜山大学 Tae-Soo Chon教授およびKyung He大学のYoung-Seuk Park教授のグループおよびフランスPaul Sabatier大学のSovan Lek教授のグループらと共同研究を進め、 韓国およびフランスの河川底生動物の群集データを用いて、上記の非平衡状態にあるランダム相互作用レプリケーター方程式系や「 格子ほぼ中立モデル」が予測する種個体数分布などの多様性のパターンの検証を進める.同時に,国際学会等でも積極的に情報発信を続ける.
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Causes of Carryover |
研究会や学会に出席して研究成果を発表するための出張は予定通り行ったが招待講演が多く,旅費を科研費から支出する機会が予定より少なかった.また,2014年度は学内業務のための出張が予想以上に多く,専門的知識や研究連絡のための出張を予定通り行うことができなかった.そのため旅費支出が50万円ほど予定を下回り,人件費謝金についても支出がなく,合計60万円の未使用額が生じたため,27年度に繰り越すこととなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度は国内外学会へ参加し,研究成果発信をより積極的に行う予定.
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Research Products
(7 results)
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[Presentation] Statistical mechanics of a random community model2015
Author(s)
Kei Tokita
Organizer
Joint Workshop of International Institute for Applied Systems Analysis (IIASA) & Research Institute for Humanity and Nature (RIHN: 総合地球環境学研究所) at IIASA
Place of Presentation
Institute for Applied Systems Analysis (IIASA), Laxenberg, Austria
Year and Date
2015-03-27 – 2015-03-27
Invited
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[Presentation] Spatially Explicit Neutral Model2014
Author(s)
Kei Tokita and Takeshi Oura
Organizer
Joint Annual Meeting of the Japanese Society for Mathematical Biology and the Society for Mathematical Biology (JSMB/SMB2014)
Place of Presentation
Osaka International Convention Center (Grand Cube Osaka), Osaka
Year and Date
2014-07-28 – 2014-08-01
Invited