2014 Fiscal Year Annual Research Report
非学習形質であるフクロウ類の鳴き声の地理的分布は遺伝構造を反映するか?
Project/Area Number |
24570107
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
高木 昌興 大阪市立大学, 大学院理学研究科, 准教授 (70311917)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 武馬 公益財団法人山階鳥類研究所, 自然誌研究室, 研究員 (40521761)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 分断分布 / 分散 / 地史的時間スケール / 生態学的時間スケール / 二次的接触 / 浸透交雑 / 南西諸島 / リュウキュウコノハズク |
Outline of Annual Research Achievements |
陸生の小型脊椎動物、特に両生類、爬虫類の分布は地理障壁にかなり厳格に規定される。鳥類の分布もある程度は地理障壁に制限されるが、飛翔が可能なため隔離の制約は緩い。しかし、近接した島々や隣接する地域など、移動が十分可能と推察される場所でも、起源を同一にする近縁種や亜種が分布する例が知られている。東南アジア・オセアニアに生息するモズヒタキ科には側所的分布が多く、キバラモズヒタキは世界で最も複雑な分布と地理変異を持つ種とされ70亜種に区分される。このような分布は生態的種分化、もしくは変異順序種分化によるものと推察される。それぞれの標徴形質は、生態的要因や配偶者選択により維持され、移入個体との交雑は適応度を下げ、隔離が強化されるプロセスが働くのだろう。私たちは、南西諸島に分布するリュウキュウコノハズクが、ケラマ海裂を挟み、外部形態形質と鳴き声に差異を蓄積し、分子系統解析により分岐から約150万年を経過していることを明らかにした(北系統と南系統と呼ぶ)。しかし矛盾する分布例が見つかった。沖縄島の西側の伊平屋島、伊是名島、久米島はケラマ海裂の北側に位置するにも関わらず、それぞれの個体群を形成する個体の形態と声紋は南系統の特徴を示し、遺伝的にも支持された。沖縄島では北系統が優占していたが、少数の南系統も生息し、異系統間のつがいが確認された。つまり、ケラマ海裂は地史的時間経過でリュウキュウコノハズクの祖先種を分断し、種レベルの変異を蓄積させ異所性の二系統を作った。その後、沖縄周辺の小島嶼には生態学的時間スケールで移入が生じ、二系統が二次的に同所棲になったと推察される。
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Research Products
(6 results)