2014 Fiscal Year Annual Research Report
尾索動物ミトコンドリアゲノムの遺伝子構成・配置多様性の進化と尾索動物の進化
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24570113
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
横堀 伸一 東京薬科大学, 生命科学部, 講師 (40291702)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 尾索動物 / ミトコンドリアゲノム / 分子系統解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、引き続き尾索動物オタマボヤ綱サイヅチボヤ科のホソサイヅチボヤFritillaria haplostomaならびにタリア綱(特にサルパ目)、腸性目の複数種について、ミトコンドリアゲノムの解析を進めるとともに、分子系統解析を行った。 ホソサイヅチボヤについては、既に得られている3種の蛋白質遺伝子をコードする環状ミトコンドリアゲノムの他に、第2の環状ミトコンドリアゲノムの存在が推定された。今後、この第2のミトコンドリアゲノムの配列決定を試みる。 また、これまで得られた尾索動物ミトコンドリアゲノムの配列に基づく分子系統解析を、主として最尤法並びにベイズ法を用いて進めた。尾索動物ミトコンドリア遺伝子の進化速度は、他の脊索動物に比べ極めて速いこと、加えて、尾索動物内の種間(配列間)での進化速度が極端に異なることから、配列間の進化速度の差の影響をどのようにして少なくするのか、その検討を行う必要がある。そこで、進化モデルとして、座位間での進化速度の差の影響が少ないことが報告されているmixed modelや、系統間で進化モデルまたは進化速度が異なることが許容される系統樹作成法を用いて、オタマボヤ綱を除く尾索動物内の系統関係を再検討した。その結果、タリア綱が、腸性目特に管鰓亜目の内群であることが示唆された。また、管鰓亜目ディアゾナ科のRhopalaea sp.は無管亜目の群内群になること、タリア綱が管鰓亜目の群内群になることから、管鰓亜目は、多系統群であると考えられる。よって、無管亜目と管鰓亜目からなる腸性目の分類体系の再検討が必要であると考えられる。
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