2013 Fiscal Year Research-status Report
珍しい特徴を有する二つの酵素の立体構造に基づく触媒機構解明とその利用
Project/Area Number |
24570130
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
藤橋 雅宏 京都大学, 理学(系)研究科(研究院), 助教 (10397581)
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Keywords | ODCase / OMPDC / OMPDCase / 基質の歪み / X線結晶構造解析 |
Research Abstract |
ODCase について、構造解析・酵素学的アッセイ・計算機シミュレーションを併用した反応機構の解析を行った。構造解析については、酵素-基質アナログ複合体の構造を8つ精密化し、Protein Data Bankに登録した。解析した複合体構造で、6-methyl-UMPはそのmethyl基がpyrimidine環平面から大きく歪んだ構造をしていた。OMP-methyl-esterやOMP-ethyl-esterは、esterがピリミジン環平面から回転していた。 並行して連携研究者と密に連絡を取りながら、計算機シミュレーションを行った。シミュレーションの結果は、ODCaseの基質であるOMPは、carboxylate基がpyrimidine環から回転し、また、平面から歪んだ状態で結合するという構造解析結果と矛盾しなかった。反応のエネルギー過程を見積もったところ、酵素学的アッセイの結果から導かれるODCaseによるΔΔGの低下を非常に良く再現した。計算結果から導かれる歪みの反応への貢献は10-15%程度であることがわかった。 これらの結果を論文にまとめ、JACS誌に投稿、受理された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ODCaseの反応触媒機構には歪みが関わるという仮説について、昨年度の研究により、その仮説に対する最も大きな反論を取り除いた。続いて本年度の研究により、歪みがどの程度反応に関わるかを計算により求めた。このため、ODCaseについては計画をやや上回るペースで研究が進んでいる。 Cyc2については、結晶化に適した試料が未だ得られておらず、その結果結晶化に未だ成功していない。こちらは計画より遅れ気味である。
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Strategy for Future Research Activity |
ODCaseについては変異体の解析などを行い、歪みがどのように起こるのかを明らかにする。並行して、この酵素が還元剤を用いずにAzido基のAmino基に変換する可能性について、検証するための系を構築する。 Cyc2については、この酵素が枯草菌由来であることを考えて、大腸菌では無く枯草菌の発現系を利用して、結晶化用の試料を作成する計画である。また、別の生物種由来のホモログ酵素も、構造解析対象に含めて研究をすすめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
連携研究者、海外の共同研究者等とのミーティングに要した費用について、先方が旅費の負担を行って下さったなどの理由により、見積もりより大幅に少なく研究を遂行できた。このため、主に旅費に大きな残高が生じている。 今年度は、これまでに進めてきた研究をさらに発展させるとともに、カナダモントリオールで開かれる国際結晶学会での発表を計画している。このような方針で研究費を使用させて頂く計画である。
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[Presentation] オロチジン一リン酸脱炭酸酵素の反応機構2014
Author(s)
藤橋雅宏, 石田豊和, 黒田新悟, 三登一八, Emil F. Pai, Lakshmi P. Kotra, 三木邦夫
Organizer
物構研サイエンスフェスタ2013
Place of Presentation
つくば市 つくば国際会議場
Year and Date
20140318-20140319
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