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2013 Fiscal Year Research-status Report

E3リガーゼSCFーFbw7の新規機能の解析

Research Project

Project/Area Number 24570151
Research InstitutionHamamatsu University School of Medicine

Principal Investigator

北川 恭子  浜松医科大学, 医学部, 助教 (20299605)

KeywordsFbw7 / 蛋白分解 / T cell / GATA3
Research Abstract

Fbw7の基質の多くは血球系細胞の分化増殖に関与する因子である。我々は新規基質として GATA3を同定したが、T細胞の分化過程ではGATA-3タンパク量の変動が重要なイベントであることが知られている。このことはFbw7が血球系細胞の正常な分化進行に重要な役割を果たしていることをより強く示唆するものと考えられた。そこでT 細胞の分化過程でのGATA3を介したFbw7の役割に注目し、T 細胞特異的Fbw7ノックアウトマウスの解析を行った結果、分化初期であるCD4 CD8表面抗原ダブルネガティブ(DN)細胞集団と、胸腺における分化後期の CD8 シングルポジティブ細胞集団で、転写に依存しないGATA3の異常蓄積が認められた。 GATA3遺伝子改変マウスの解析で、DNの進行には過不足ないGATA3が存在する事が必須であることが明らかにされているが、我々の得た知見は、この時期におけるGATA3の量的調節をFbw7が担っている可能性を示唆している。一方、ダブルポジティブ(DP)の細胞集団ではGATA3タンパク量におけるFbw7依存性は認められなかった。前年度までにFbw7のGATA3への結合にはCPDのリン酸化修飾が必須である事を明らかにしたが、この修飾はDN期のみならずDP期でも発生していることが確認されたことから、DP期にはFbw7による分解を回避するための機能が備わっていると考察された。このようなユビキチン分解に対するブレーキシステムは、GATA3のみならず様々な 基質にも備わっていると推測される。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

Fbw7の既知の基質にはT cell分化制御因子が複数含まれている。我々は同様の分化過程で機能する転写因子のGATA3を同定したが、その制御メカニズムに関わるリン酸化酵素はCDK2であり、これまでの基質ではその関与が示されていない種類であった。このキナーゼの既知の役割と相反する事なく、GATA3の CPDのリン酸化レベルおよび量的変動は細胞周期依存的であることがわかり、その独自の制御機構が、T cell 分化過程での量的変動が他のFbw7の基質とは一致しない理由になっていると考えられる。
前年度からの継続的な研究により、Fbw7の基質群の中で、新規基質として同定したGATA3が特有の修飾機構を持つことを示したことに加えて、T cell 分化過程でGATA3は時期特異的にFbw7の寄与を受ける事を動物個体レベルで証明できた。この知見はFbw7のT cellにおける多様な制御機構の一端を明らかにするものであり、またGATA3のT cell分化過程での厳密な量的変動調節に関わる翻訳後修飾機構の部分的解明をもたらしたものと考えられ、一連の成果を科学論文へ投稿中である。

Strategy for Future Research Activity

CDK2によるGATA3のリン酸化は、CPD以外にも標的となっている箇所の候補がMS解析で同定され、この部位のリン酸化修飾の意義を調べたところ、Fbw7によるユビキチン化分解を抑制する働きがあると考えられた。そこで、その修飾を受けたGATA3と結合するタンパク質をMS解析によってスクリーニングしたところ、脱ユビキチン化酵素などが候補因子として同定された。26年度はこれら候補因子の関与が担っている役割について検証を進めたい。GATA3のユビキチン分解抑制機構としては、脱ユビキチン化酵素のひとつであるUSP21が関与することが過去に報告されているが、今回同定された候補はこれとは異なるものである。そこでGATA3に対する両酵素の相関関係にも注目して新しい知見を得たい。
またGATA3は骨髄、血管や乳腺など、T細胞以外でも発現しており、それぞれの組織形成の過程で量的変動が起きている事が知られている。このことから、Fbw7によるGATA3の分解機構は多種の組織で機能している可能性がある。そこで、 インターフェロン投与による Cre リコンビナーゼ 誘導型コンディショナル Fbw7ノックアウトマウスを用いて、全身を対象とした各組織での GATA3の量的変動の有無を検証し、GATA3蓄積の可能性が認められる組織では、Fbw7によるGATA3分解の生理的機能に踏み込んだ解析に進めたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

当該年度において重要な知見が得られた実験では、マウス組織からの細胞のFACSによる解析とsorting, 細胞免疫染色、およびMS解析を行ったが、全て所属機関の機器センターに設置されている機器および専門オペレーターによってデータを得る事ができ、このことは経費節約につながった。
次年度はマウス全臓器を対象とした検討を予定しており、解析方法が臓器毎に異なることが想定され、必要となる手法および試薬が多岐にわたるため、新規購入が必要な物品が増えることが見込まれる。

  • Research Products

    (6 results)

All 2013

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] YB1 binds to and represses the p16 tumor suppressor gene.2013

    • Author(s)
      Kotake, Y., Ozawa, Y., Harada, M., Kitagawa, K., Niida, H., Morita, Y. Tanaka, K., Suda, T. and Kitagawa M.
    • Journal Title

      Genes Cells

      Volume: 18 Pages: 999-1006

    • DOI

      10.1111/gtc.12093.

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Cell cycle regulation by long non-coding RNAs.2013

    • Author(s)
      Kitagawa M, Kitagawa K, Kotake Y, Niida H, Ohhata T.
    • Journal Title

      Cell Mol Life Sci.

      Volume: 70 Pages: 4785-4794

    • DOI

      10.1007/s00018-013-1423-0.

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] Fbw7 contributes to regulation of T-cell development and targets GATA32013

    • Author(s)
      北川恭子 柴田清 北川雅敏
    • Organizer
      第36回日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      神戸
    • Year and Date
      20131211-20131214
  • [Presentation] Analysis of the regulation of the stability of transcription factor GATA32013

    • Author(s)
      北川恭子 柴田清 北川雅敏
    • Organizer
      第75回日本血液学会学術集会
    • Place of Presentation
      札幌
    • Year and Date
      20131011-20131013
  • [Presentation] 癌抑制ユビキチンリガーゼFbw7の新規基質2013

    • Author(s)
      北川雅敏 北川恭子
    • Organizer
      第72回日本癌学会学術総会
    • Place of Presentation
      横浜
    • Year and Date
      20131003-20131005
  • [Presentation] リン酸化とユビキチン化修飾による転写因子 GATA3タンパク質の安定性制御機構2013

    • Author(s)
      北川恭子 北川雅敏
    • Organizer
      第65回日本細胞生物学会大会
    • Place of Presentation
      名古屋
    • Year and Date
      20130611-20130613

URL: 

Published: 2015-05-28  

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