2013 Fiscal Year Research-status Report
癌細胞による細胞外マトリックスリモデリング受容機構における脂質ラフトの役割
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24570154
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村井 稔幸 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (20311756)
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Keywords | 細胞・組織 / シグナル伝達 / 分子認識 |
Research Abstract |
癌細胞は、腫瘍組織に形成される細胞外マトリックスとの相互作用を通して浸潤能を獲得し、転移する。本研究代表者は、腫瘍組織の主なマトリックス成分であるヒアルロン酸の断片化によるリモデリングが、癌細胞の浸潤性を亢進する機構を解明してきた。本課題では、細胞膜脂質ラフトの役割に焦点を当て、これまで不明であったメゾスコピックな膜ダイナミクスによる細胞接着の動的秩序形成機構を明らかにすることを目的とした。平成25年度においては、血球系細胞が細胞外マトリックスと相互作用するときの脂質ラフトの役割を、生化学的手法などに加え、大気圧電子顕微鏡解析により、明らかにした。 まず、生化学的解析においては、脂質ラフトの破壊処理により、細胞外マトリックスの代表的なレセプターであるCD44の活性が変化することを見出した。ショ糖密度勾配遠心分離法による界面活性剤不溶性膜画分(DRM)の調製を行い、CD44の脂質ラフト局在性の変化を解析した。次に、大気圧電子顕微鏡解析(Atmospheric Scanning Electron Microscopy)により、開放型ディッシュ内の培養液中で、血球系細胞表面のCD44の分布と、細胞表面の微細構造を高分解能観察した。その結果、細胞膜におけるCD44のクラスター形成とCD44のヒアルロン酸結合能との相関を見出した。さらに、剪断応力下での細胞挙動を解析したところ、脂質ラフトがCD44による細胞接着を制御することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度においては、交付申請書に記載した「研究の目的」および「研究実施計画」に沿って研究を実施し、十分な研究成果を得た。よって、おおむね順調に進展していると評価された。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、平成25年度に得られた成果を発展させ、蛍光顕微鏡と大気圧電子顕微鏡(Atmospheric Scanning Electron Microscope)との組み合わせにより、新規な光-電子相関イメージング手法を確立する。本研究により、細胞接着制御の新地平を開き、癌浸潤・転移の阻止手段の開発に貢献することを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究を進めていく上で必要に応じて研究費を執行したため当初の見込み額と執行額は異なった。 研究計画に変更はなく、前年度の研究費も含め、当初予定通りの計画を進めていく。
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Research Products
(3 results)