2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24570158
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
木村 行宏 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (20321755)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 光合成細菌 / 光捕集タンパク質 / 耐熱性 / カルシウム / 赤外分光法 / ラマン分光法 / 熱量分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
Thermochromatium (Tch.) tepidumは紅色光合成細菌の中で唯一の耐熱菌であり、その光捕集1反応中心複合体 (LH1-RC)はLH1サブユニットのC末端部位とCa2+との相互作用により耐熱性を獲得することが知られているが、その詳細な分子機構は不明である。本年度は、紫外可視分光法、原子吸光分析、赤外分光法による分光学的手法、及び等温滴定カロリメトリーによる熱力学的手法を用いて、野生型及び生合成的にSr2+置換したTch.tepidum由来LH1-RCの金属結合サイト及び金属結合に伴うLH1サブユニットの構造変化をモニターし、耐熱化に関わるLH1のC末端部位と金属イオンの相互作用について解析を行った。 原子吸光分析より、野生型またはSr置換型Tch.tepidum由来LH1-RCが細胞内で本来結合しているCa2+またはSr2+を検出したが、両者の金属イオン濃度には顕著な差異が見られた。等温滴定熱量分析より、野生型及びSr置換型LH1-RCには同数の金属結合サイトが存在すること、及びCa2+結合における親和性や相互作用の種類に違いが見られることが判明した。全反射フーリエ変換赤外分析より、Ca2+からSr2+への置換に伴うLH1 C末端部位の構造変化を検出したが、Ca2+除去によっても同様の構造変化が観測された。また、金属結合の競合実験より、Ca2+とSr2+は同一サイトに結合していることが示唆された。 以上の結果より、野生型およびSr置換型Tch.tepidum由来LH1-RCがin vivoにおいてもCaおよびSrを結合していること、金属結合サイトはそれぞれ16サイト存在すること、生合成的Sr置換によりLH1-RCに不可逆的な構造の違いが生じていること、CaとSrの結合部位は極めて近いが同一ではないことが示唆された。
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[Journal Article] The Roles of C-terminal Residues on the Thermal Stability and Local Heme Environment of Cytochrome c' from the Thermophilic Purple Sulfur Bacterium Thermochromatium2015
Author(s)
Kimura, Y., Kasuga, S., Unno, M., Furusawa, T., Osoegawa, S., Sasaki, Y., Ohno, T., and Wang-Otomo, Z.-Y.
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Journal Title
Photosynthesis Research
Volume: 124
Pages: 19-29
DOI
Peer Reviewed / Acknowledgement Compliant
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