2013 Fiscal Year Research-status Report
拡張アンサンブル混合法による蛋白質フォールディング過程の研究
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24570189
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
米澤 康滋 近畿大学, 先端技術総合研究所, 教授 (40248753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 雅夫 近畿大学, 生物理工学部, 准教授 (20258065)
吉田 久 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (50278735)
菊川 豪太 東北大学, 流体科学研究所, 講師 (90435644)
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Keywords | 蛋白質フォールディング / 分子シミュレーション / 拡張アンサンブル法 |
Research Abstract |
本年度は、研究初年度に整備した拡張アンサンブル混合法を実装した分子動力学シミュレーションプログラムを代表的モデル蛋白質へ適用してその性能を詳細に評価する研究を展開した。 作年度末から取り組んでいるChignolin等のミニモデル蛋白質のN末端とC末端間の距離を反応座標とするメタダイナミックス分子動力学シミュレーションを実施して、どのような大きさのガウス型ポテンシャルエネルギーをどのようなタイミングで反応座標上に置く事で適切かつ迅速なシミュレーション結果が得られるかを調査した。さらに慣性半径を反応座標とするメタダイナミックス分子動力学シミュレーションについても同様な調査研究を実施した。この調査ではメタダイナミックス法の後にマルチカノニカル法と組み合わせて自由エネルギー地形を構築する本格的な混合手法の評価を実施した。 その結果メタダイナミックス法による反応座標上のフラット化が十分でなくても後に実施するマルチカノニカル法が予想以上ロバストに正しい自由エネルギー面を再構築する能力があることをメタダイナミックス法の様々な条件化で確認することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の研究計画に従って、小型蛋白質Chignolin等のミニモデル蛋白質を使って拡張アンサンブル混合法の能力を確認することができた。この調査に使用した反応座標は大変一般的なものである事から様々な蛋白質への適用の可能性を示すことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当初の研究計画どうりにこれまでより大きいサイズの球状蛋白質にターゲットを移して拡張アンサンブル混合法の性能評価研究を推進すると共に小型蛋白質から得られたデータを精査してそのフォールディング過程の詳細を明らかにする。 また蛋白質フォールディングに、より適切であると考えられる反応座標を集団座標の関数として新たに考案して本研究の拡張アンサンブル混合法で検証することで計算シミュレーション計算科学を活用して蛋白質構築原理の理解に一層貢献することを目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本年度は物品を購入する際に見積もり先を多くすることや研究遂行に関してできるだけ安価で役に立つものを厳選する等して予算の効果的な使用に努めた。その結果、執行額を予定よりも節約することができて次年度使用に回す事になった。 本年度使用額と併せて本研究遂行に役立つ効果的な物品購入等に当てる予定である。
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Research Products
(4 results)