2014 Fiscal Year Annual Research Report
拡張アンサンブル混合法による蛋白質フォールディング過程の研究
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24570189
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Research Institution | Kinki University |
Principal Investigator |
米澤 康滋 近畿大学, 先端技術総合研究所, 教授 (40248753)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤澤 雅夫 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (20258065) [Withdrawn]
吉田 久 近畿大学, 生物理工学部, 教授 (50278735) [Withdrawn]
菊川 豪太 東北大学, 流体科学研究所, 講師 (90435644)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 蛋白質構造 / 分子シミュレーション / 拡張アンサンブル法 / 反応座標 / 構造空間探索 |
Outline of Annual Research Achievements |
蛋白質の詳細な分子動的過程を記述し得る様々な集団反応座標に、拡張アンサンブル混合法を適用可能にする改良を、これまでに申請者が開発してきた分子動力学プログラムに実装した。まず始めに、系の時間空間的な履歴に応じて集団反応座標上にガウス型ポテンシャルを置くメタダイナミックス(METAD)用のサブルーチンプログラムを新規作成した。次はこのガウス型ポテンシャルによる力を計算して系がより多く訪れた反応座標領域から訪れたことがより少ない領域に、系の分布が力学的にシフトするように相互作用計算に関連するサブルーチンプログラム群を修正した。その後アラニンペプチドを対象にして代表者の機関が保有する高性能コンピュータと本研究費によって購入した高性能コンピュータで本改良分子動力学プログラムが正常に動作することを確認した。
さらに高速な分子動力学シミュレーションを可能としサンプリング能力を飛躍的に高める長距離相互作用ポテンシャルの開発に成功し独自開発のプログラムに実装して様々な蛋白質系に応用してその性能の詳細な検証を実施し、論文発表(単著)した。さらに本ポテンシャルを本研究の分子シミュレーション実施に活用した。それらの結果、特にMETADに代表されるタブーサーチに関連する方法の空間探索能力と収束性は、予め設定された反応座標に強く依存することを明らかにした。本研究によって、拡張アンサンブル混合手法は、全段階のラフな空間探索が成功した場合はその後のMCMDで収束を精密に判定できる利点を持つ大変強力な計算シミュレーション手法である一方、蛋白質のような複雑系においては、ラフな空間探索を可能とする様な反応座標系を構築する方法論の確立が必須でありその方向に研究を今後精力的に展開することが重要である事が明確と成った。
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Research Products
(6 results)