2012 Fiscal Year Research-status Report
p53ーp21経路の新規メディエーターであるTLPの作用機序の解明
Project/Area Number |
24570193
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田村 隆明 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30112692)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | TLP / p53 / p21 / 転写制御 |
Research Abstract |
常な細胞増殖には細胞周期の適切な制御が必須であるが、最も重要な細胞制御因子の1つであるp53で活性化される因子に、細胞増殖抑制因子p21がある。申請者は細胞増殖に影響を及ぼす転写因子TLPの研究を行い、これまでTLPが転写制御能を介して癌抑制・アポトーシス誘導・細胞増殖抑制に働く事を明らかにした。最近になり、申請者らp21の主要プロモーターの一つがTLPで強く活性化されること、そしてその機能発揮にはp53が必須で、TLPがp53-p21経路のメディエーターになっていることを見出した。本研究は、この現象において、TLPがp53を介してp21遺伝子を活性化するメカニズムを明らかにする事を目的とする。 本年度の研究において以下の事柄を明らかにした。in vivoにおけるTLPとp53の、p21上流プロモーターへの結合状態をChIP法にて解析し、これらの因子が実際にp53結合配列を含むDNA領域に結合する事を明らかにした。興味あることに、TLPの強制発現によって、p53のクロマチン結合の上昇が見られた。このことより、TLPのコアクチベーター能が強く示唆された。p21にはp53に強く依存する上流プロモーターと依存性の弱い下流プロモーターという2つの主要プロモーターがあるが、細胞をDNA傷害剤で処理する事によって、上流プロモーターの活性が特異的に活性化された。また、TLPの活性化効果が主に上流プロモーターに及ぶ事も明らかとなった。以上の結果から、p21の細胞内機能発揮がプロモーター選択によって行われ、そこにTLPが関与すると考えられた。これまで知られているp53依存プロモーターの幾つかを抽出し、そのp53活性化におけるTLP依存性を検討したところ、TLPに依存するものとしないものに分かれる事が明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞レベルでのTLPのコアクチベーター能が明らかになり、p21のプロモーター使い分けにおけるp53とTLPの挙動の検討が進んだ事、さらにはTLP応答性に差のあるp21以外のプロモーターが同定できた事により。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きTLPの機能解析を進める。特にTLP応答性を与えるp53機能の詳細や、TLPの機能にかかわりの深い基本転写因子TFIIAの関与についても検討を加える。大学院博士後期課程の学生の参加を得て、研究のさらなる推進に努める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(7 results)