2013 Fiscal Year Research-status Report
p53ーp21経路の新規メディエーターであるTLPの作用機序の解明
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24570193
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
田村 隆明 千葉大学, 理学(系)研究科(研究院), 教授 (30112692)
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Keywords | TLP / p53 / p21 / 転写制御 |
Research Abstract |
G1~S期での細胞周期進行を抑制する主要な遺伝子の一つにp21があるが、この遺伝子はp53によって発現が正に制御されている。研究代表者らはp21遺伝子発現の主要プロモーターの一つであるTATA-less上流プロモーター活性が、転写因子TLPによって正に制御されている事、その働きにはp53の機能が不可欠である事、そしてp53とTLPが結合する事などを見出した。以上の知見を踏まえ、本研究ではTLPを介したp21上流プロモーターの分子機構を明らかにする事を目的とした。 前年度までの研究により、p53とTLPが内在性のp53結合領域にエントリーする事、そのエントリーがエトポシドなどの細胞傷害剤処理により高まる事、TLPの存在がp53のエントリーを促進する事などが明らかになっており、TLPがp53の機能発現に必要な転写補助因子である可能性が強く示唆されていた。さらに、TATAボックスをもつ下流プロモーターにはそのような現象が見られない事から、TLPの作用できる条件の一つに、プロモーターがTATA-lessである事があると考えられた。 本年度はp53とTLPとの物理的相互作用について深く検討を加えた。解析の結果、TLPがp53と結合する強さは、既にp53と結合する事がわかっているTBPのそれと比べ、約3分の1である事が明らかにされた。p53の変異解析の結果、TLPと結合するp53の領域にはN端の転写活性化領域含まれる事、その中に特定の複数のアミノ酸残基が重要である事が示された。さらにTLP側の変異解析を行い、p53結合には少なくとも分子中央の領域が必要である事も明らかとなった。変異p53や変異TLPを用いた解析により、この両因子の特異的結合が、プロモーターへのエントリー、上流プロモーターの活性化、そしてエトポシド依存的p21遺伝子の活性による細胞増殖抑制に関わる事が明らかにされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
TLPとp53の相互作用がp21遺伝子の発現に利いている事に関しまだ不確定な部分も残されていたが、本年度の詳細な変異解析により、これらの事が明確になったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きTLP作用に関する機能解析を推進させる。とりわけ、TLPと特異的かつ強力に結合する事が知られているTFIIAの関与が、p21上流プロモーターの活性にいかに関わるのかの検討を進める。これまでと同様に複数の大学院博士前期学生および博士後期課程学生の参加を得て、研究の更なる推進に努める。
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Research Products
(6 results)