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2013 Fiscal Year Research-status Report

ABCタンパク質による時計遺伝子の転写後調節機構

Research Project

Project/Area Number 24570199
Research InstitutionJuntendo University

Principal Investigator

松本 顕  順天堂大学, 医学部, 准教授 (40229539)

Keywords概日リズム / 時計遺伝子 / ABCタンパク質 / ショウジョウバエ / 転写後調節
Research Abstract

昨年度の免疫沈降実験の結果から、概日時計タンパク質のリン酸化酵素であるCK2αと本研究のターゲットであるCG9281が相互作用する可能性が示唆されていた。そこで、本年度はまずCK2αの突然変異であるTikバックグラウンドでCG9281をノックダウンし、行動レベルへの影響を解析した。Tik単独でも概日周期を1.5hr延長するが、加えてCG9281もノックダウンするとさらに1.5hrの周期延長が見られた。しかしながら、Tik機能の概日周期に関する復帰突然変異(TikR)のバックグラウンドで同様の実験を行ってもこの周期延長は生じた。また、Tikとは逆の作用のある脱リン酸化酵素Pp2Bの突然変異バックグラウンドでも、CG9281ノックダウンによる周期延長効果には変化がなかった。これらの結果は、CG9281とCK2αは分子レベルで相互作用するものの、概日時計への関与経路はCG9281とCK2αで独立している可能性を強く示唆する。
そこで、研究方針を根本的に切り替えた。当初計画していたCG9281ドミネガ系統の作製は難航しているため、別の方法でCG9281の突然変異を得ることを目指した。行動スクリーニングの結果、計測個体の約1/4が無周期を示すMB01100系統を見出した。ただし、残りの3/4の個体では周期性には変化はない(24.29±0.07 hr, N=32)。一方、EY11340系統は、CG9281ノックダウンによる周期延長効果を相殺でき、CG9281の過剰発現系統として使用可能であることがわかった。これを踏まえ、当初の計画であったCG9281の時計タンパク質翻訳への関与を調べるためにCLK、VRIに対する抗体の作製を業者委託した(PERについては昨年度作製、抗TIM抗体は以前から保持)。抗体が出来上がったのが3月末日であったため、本格的な研究は次年度の課題となった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

昨年度の免疫沈降実験でCG9281とCK2αが相互作用することが見出された。CK2αが概日時計タンパク質をリン酸化することが報告されていたため、本年度は、CG9281はCK2αを通して概日リズムに影響するという仮説の元に研究を進めたが、結局、ネガティブな結果しか得られなかった。このため研究に遅れが出てしまった。また、CG9281ドミネガ系統の作製も上手く進んでいないが、それに代わる突然変異系統は本年度の研究で得られた。CG9281の時計タンパク質への影響を調べるために必要な抗体を作製できた面では進展があった。

Strategy for Future Research Activity

CG9281が時計タンパク質の翻訳過程に関わっているという仮説を検証する。このために、継続してCG9281ドミネガ系統の作製を試み、成功すればCG9281ノックダウン系統や突然変異系統と共に以下の実験に用いる。具体的な方策は以下の通りである。
・昨年度および本年度作製した時計タンパク質に対する抗体を用いて、CG9281の時計タンパク質への影響を調べる。時計タンパク質以外(たとえばアクチン)への影響も合わせて調べ、作用が時計タンパク質に特異的なものかどうかを検討する。
・CG9281が翻訳過程に直接的に関与するかを調べるためには、抗ribosome S6抗体を用いた免疫沈降実験が必要であるが、ショウジョウバエでは市販抗体が使えないことが判明した。海外の研究室で作製した抗体の譲渡を交渉する予定であるが、ダメな場合には自作する。
・昨年度作製した抗CG9281抗体を用いた免疫沈降と質量分析により、CG9281と相互作用する因子を同定し、CG9281の転写後調節機構への関与を明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

おおむね当初の申請額通りの支出であったが、物品定価からの割引額などによりごく少額の誤差が出た。不必要な購入はせず次年度への繰り越しとした。
本研究は今年度が最終年に当たる。よって50万円を超す備品の購入予定はない。研究成果の発表のため、国内学会への参加旅費に10万円、論文投稿料に15万円をあて、残額の全てを実験用消耗品と試薬の購入にあてることを予定している。人件費、謝金などの支出予定はない。

  • Research Products

    (4 results)

All 2013

All Journal Article (3 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] C-terminal binding protein (CtBP) activates the expression of E-box clock genes with CLOCK/CYCLE in Drosophila.2013

    • Author(s)
      Itoh T.Q., Matsumoto A., Tanimura T.
    • Journal Title

      PLoS ONE

      Volume: 8 Pages: e63113

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0063113

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] ショウジョウバエを用いた概日測時機構解析の40年-第1部 ショウジョウバエは再びとべるか-2013

    • Author(s)
      伊藤太一, 松本顕
    • Journal Title

      時間生物学

      Volume: 19 Pages: 17-25

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] ショウジョウバエを用いた概日測時機構解析の40年-第2部 ショウジョウバエ再び-2013

    • Author(s)
      伊藤太一, 松本顕
    • Journal Title

      時間生物学

      Volume: 19 Pages: 70-78

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] ウリミバエPERによるキイロショウジョウバエper0; tim0の周期性の回復2013

    • Author(s)
      松本顕, 伊藤太一
    • Organizer
      第20回日本時間生物学会学術大会
    • Place of Presentation
      近畿大学東大阪キャンパス
    • Year and Date
      20131109-20131110

URL: 

Published: 2015-05-28  

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