2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24570200
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
和賀 祥 日本女子大学, 理学部, 教授 (60222402)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | DNA複製 / ORC / グアニン四重鎖 |
Outline of Annual Research Achievements |
ORCは、複製の開始において、はじめに複製開始点に結合して機能するタンパク質複合体である。25年度は、ヒトORCがもつG-rich一本鎖核酸結合活性の生物学的な役割を明らかにすることを目的に、ヒトORC1サブユニットのグアニン四重鎖(G4)モチーフ結合活性に関する解析を進めた。25年度までの解析からORC1のアミノ酸413-511の領域(ドメインA)がG4モチーフ結合活性を示すことを見いだしたが、26年度にさらにORC1のドメイン解析を進めた結果、ドメインAよりもさらにN末端側の領域にも、G-rich1本鎖核酸結合活性が存在することが明らかになった。この新たに同定した領域(ドメインB)について、配列特異性を解析したところ、ドメインAと同様なG4モチーフに対する結合特異性が示された。このドメインBについても、G4モチーフ結合に必要なアミノ酸残基を同定し、G4結合活性を失った変異ドメインの作出を行った。今後は、ドメインAおよびドメインBに変異を導入した変異ORC1を細胞に発現させて、ORC1のもつG4モチーフ結合活性の生物学的な意義を探りたい。 上記に加えて26年度は、ヒトORCのもつG4モチーフ結合活性の特異性についてのさらなる検討を行った。G4構造にはパラレル型やアンチパラレル型など、様々な構造がある。そこで、ORCはこれらのG4構造に対し特異性を示すかを検討した。c-myc遺伝子由来のG4モチーフ、テロメア由来のG4モチーフ、そしてこれまで使用してきた(GGGTT)繰り返し配列について、ORC結合を解析した結果、ヒトORCは、(GGGTT)繰り返し配列とc-myc G4モチーフには結合したが、テロメアG4モチーフには強い結合性を示さなかった。この特異性が、G4構造のどの部分に起因するかを明らかにするため、今後は構造生物学的な手法も取り入れて研究を進めていきたい。
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Research Products
(3 results)