2013 Fiscal Year Research-status Report
RAS、JUNおよびE2F制御下にある細胞周期関連マイクロRNA群の機能解明
Project/Area Number |
24570201
|
Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
吉田 健一 明治大学, 農学部, 教授 (20345036)
|
Keywords | マイクロRNA |
Research Abstract |
本研究の目的は、細胞周期関連マイクロRNAの候補としてmiR-139-3p、miR-483-5pおよびmiR-370を中心に、エピジェネティクスを中心とした発現制御の仕組みを解明することである。また、これらマイクロRNAが発現を制御する遺伝子を同定することで、マイクロRNAの細胞内機能の解明を目指す。これら諸課題の解決を通して、マイクロRNAによる細胞周期制御機構の一端を解明することを目指す。 5-aza-2'-deoxycytidineによるDNA脱メチル化促進の結果、miR-139-3pの発現レベルはHeLa細胞においてのみ増強すると昨年度の研究実績で報告したが再現性を確認できず、実際にmiR-139-3pの発現レベルが回復するのはヒト肺癌由来細胞株A549においてであることが判明した。miR-139-3pはPDE2A遺伝子のイントロニック・マイクロRNAであるのでPDE2A遺伝子バリアント2および3のプロモーターと予測された領域内のCpGアイランドおよびCpGアイランドショアについてバイサルファイトシークエンシングによりDNAメチル化解析を実施した。結果、A549細胞におけるDNAメチル化率はCpGアイランドで低く、CpGアイランドショアでは高いことが判明した。miR-139-3pを安定的に発現する細胞株の樹立を目指して研究を続行中である。 miR-483-5pについては標的遺伝子としてMAPキナーゼ経路のp44が知られているが、本研究ではp42も標的遺伝子である可能性を見出し、解析を実施中である。加えて、miR-370近傍の約2千塩基対の配列についてプロモーター活性およびDNAメチル化の状態を解析中である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
DNA脱メチル化促進の結果、miR-139-3pの発現レベルが回復する細胞として、当初HeLa細胞であるとしたが、その後の解析によりヒト肺癌由来細胞株A549であることを明らかとした。その成果に基づき、miR-139-3pの発現を制御すると想定されるPDE2A遺伝子バリアント2および3のプロモーター近傍についてバイサルファイトシークエンシング解析を実施し、DNAメチル化率はCpGアイランドで低く、CpGアイランドショアでは高いことを明らかとした。さらに、miR-139-3pの細胞内機能を解析すべく、miR-139-3pを安定的に発現する細胞株の樹立を目指している。 miR-483-5pについては標的遺伝子の候補としてMAPキナーゼ経路のp42に注目している。現在miR-483-5pがp44に加えp42を標的とすることでいかなる細胞内機能を制御しているのか解明することを目指しているが、p42がmiR-483-5pの直接の標的なのか、あるいはmiR-483-5pにより間接的に発現制御されているのか明らかにできていない。
|
Strategy for Future Research Activity |
エピジェネティックな発現制御を受けるマイクロRNAとしてmiR-139-3pに加え、miR-370についてもバイサルファイトシークエンシング解析を実施する。 miR-139-3pの細胞内機能を詳細に解析するため、miR-139-3pを安定的に発現する細胞株を樹立する。 miR-483-5pがp42を直接の標的とするのか否か明らかにすることで、細胞周期制御因子とマイクロRNAとのフィードバック制御の一端を明らかとする。
|
Research Products
(1 results)