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2012 Fiscal Year Research-status Report

真核生物でプロテアソームが増殖に必須な理由

Research Project

Project/Area Number 24570208
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

八代田 英樹  東京大学, 薬学研究科(研究院), 准教授 (20311425)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsプロテアソーム / ミトコンドリア / タンパク質分解 / 出芽酵母
Research Abstract

1)単細胞の酵母からヒトにまで共通に保存されているプロテアソームが持つ3種類のペプチダーゼ活性の意義 2)ミトコンドリアが正常に機能するために必要とされるプロテアソーム機能 3)19S 複合体サブユニットの機能解析
以上3点の項目に重点を置いて原核生物においては増殖に必須ではないプロテアソームが、何故真核生物において増殖に必須となったのかということを明らかにすることを目的に研究を行っている。20Sプロテアソームは真核生物のみならず、古細菌と一部の原核生物にも保存されているが真核生物のプロテアソームはサブユニットの種類を増やすことでその複雑さをまして保存されている。また、ミトコンドリアは真核生物特有の細胞内小器官であるが、ミトコンドリア機能の維持に、やはり真核生物で保存されているユビキチン-プロテアソームシステムが必要であることが分かってきている。さらに19S複合体は真核生物がもつ20Sプロテアソーム制御因子で19種類のサブユニットからなるが、このように多種多様なサブユニットからなる大きな複合体が20Sプロテアソームと協調してどのような働きを持っているのかよくわかっていない。1)に関してはβ1サブユニットが持つカスパーゼ様活性に注目し、スクリーニングを開始した。過剰発現することによってβ1変異株の増殖を阻害するようなタンパク質を同定する。2)に関してはプロテアソームの変異でミトコンドリアの変異が抑圧されるために必要な遺伝子をさらに同定した。3)に関してはリッドサブユニットRpn8の変異株を作製し、その変異を抑圧する多コピーサプレッサーや偽復帰変異を解析中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

1) に関しては最初に予定していたβ1β2の変異と合成致死を示すような変異の単離を試みたが、残念ながら目的に沿う変異は単離出来ていない。遺伝子破壊株ライブラリーを用いてスクリーニングを行ったため、増殖に必須な遺伝子はこのスクリーニングからは除外されており、目的の変異が得られなかった可能性がある。2) に関しては計画を前倒ししてプロテアソーム変異によってミトコンドリア変異が抑圧されている状態からさらにスクリーニングを行った。増殖の良くなった株が再び増殖不全となるような変異を探索し同定した。これらの遺伝子産物はプロテアソームの変異によってミトコンドリア変異を抑圧するのに必要なタンパク質と言える。3)に関してはリッドサブユニットであるRpn8の変異株を作製し解析を行った。この株を用いてマルチコピーサプレッサーノ単離、合成致死を示す変異の単離を行いRpn8と遺伝学的関連を持つ遺伝子を広く得ることが出来た。現在、これらの遺伝学的な関連がRpn8との特別なものなのか、リッドの変異に関係するものなのかを区別しており年度計画が前後している点以外は問題ない。

Strategy for Future Research Activity

1) に関しては、過剰発現によってトリプシン様活性、カスパーゼ様活性欠損株の増殖を阻害するような遺伝子を探索する。また、合成致死変異のスクリーニングを完全欠損変異に限らず行う。2)に関しては既に得ている関連遺伝子を元にプロテアソームとミトコンドリアとの相互作用をより詳細に解析する。さらにミトコンドリアの変異を抑圧する変異を広く単離し、プロテアソーム変異との関連を調べる。もしくは逆にプロテアソームの変異株から、ミトコンドリア機能が変化して増殖が良くなった株を単離する。ミトコンドリアの状態とプロテアソームの状態を感知し、ミトコンドリアとプロテアソームの活性が最適になるように調整するようなシステムを明らかにする。3)に関してはRpn8以外の遺伝子に関してもRpn8で行ったのと同じように条件致死変異株を作製する。また、必須遺伝子欠損株をプラスミド上の遺伝子で増殖可能にしておき、この株に変異原処理を行う。プラスミドはURA3 マーカーのものを用い、5-FOAによるカンターセレクションを行い、必須遺伝子を欠損させたまま増殖出来る株の候補を得る。得られた株の解析によりプロテアソームが増殖に必須である手がかりを得る。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし

  • Research Products

    (6 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (1 results) Presentation (4 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] 酵母からヒトまでのプロテアソームの構造と機能2012

    • Author(s)
      八代田英樹、村田茂穂
    • Journal Title

      生化学

      Volume: 84 Pages: 409-415

  • [Presentation] Proteasome defects restore viability of mitochondrial mutants in yeast2013

    • Author(s)
      Ryohei Shirozu, Hideki Yashiroda, Shigeo Murata
    • Organizer
      Keystone Symposia; Mitochondria, Metabolism and Myocardial Function - Basic Advances to Translational Studies
    • Place of Presentation
      Keyston Resort, Colorado USA
    • Year and Date
      20130203-20130208
  • [Presentation] 26SプロテアソームはFzo1非依存的なミトコンドリア融合を負に制御する2012

    • Author(s)
      白水亮平、八代田英樹、村田茂穂
    • Organizer
      第85回日本生化学会大会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場・マリンメッセ福岡
    • Year and Date
      20121214-20121216
  • [Presentation] Regulation of the ubiquitin-proteasome System by Sirt12012

    • Author(s)
      Takuya Tomita, Jun Hamazaki, Hideki Yashiroda, Shigeo Murata
    • Organizer
      第35回日本分子生物学会年会
    • Place of Presentation
      福岡国際会議場・マリンメッセ福岡
    • Year and Date
      20121211-20121214
  • [Presentation] 26Sプロテアソーム蓋部サブユニットRpn8とRpn11の相互作用2012

    • Author(s)
      八代田英樹、神垣あかね、村田茂穂
    • Organizer
      酵母遺伝学フォーラム
    • Place of Presentation
      京都大学宇治キャンパス
    • Year and Date
      20120904-20120906
  • [Remarks] 東大薬学部蛋白質代謝学教室

    • URL

      http://www.f.u-tokyo.ac.jp/~tanpaku/index.html

URL: 

Published: 2014-07-24  

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