2013 Fiscal Year Research-status Report
核膜形成機構:オルガネラ形成を規定する膜タンパク質動態制御
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24570223
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
船越 智子 (石井 智子) 東邦大学, 薬学部, 講師 (90318460)
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Keywords | 細胞核 / 核膜 / 膜タンパク質 / 核膜孔 / セミインタクト細胞 / 再構成 / in vitro / 可視化 |
Research Abstract |
細胞分裂後の染色体を足場として核膜が再形成される。ジギトニン処理によって得られた膜透過性分裂期ヒト培養細胞(セミインタクト細胞)を用いて、核膜タンパク質の局在変化を指標に核形成初期における制御因子の探索を試みてきた。分裂期染色体への局在化には核膜タンパク質によって異なる細胞質因子を必要とする可能性を示してきた。一方で、核内膜タンパク質であるラミンBレセプター(LBR)の染色体局在化については染色体の分離後には細胞質因子を必要としない。 LBR染色体局在化制御について: 上述の細胞質非依存的なLBRの染色体局在化はPP1阻害剤で抑制された。そこで、実際にPP1が染色体へ局在するかについてPP1-GFPの局在を指標に観察したところ、LBRの染色体局在と同条件下で染色体局在することが確認できた。 再構築された核膜の核輸送活性獲得について: 核膜タンパク質Emerinを分裂期染色体へ局在化させるには、分裂期から単離した細胞質画分が必要でさらに、CDK活性を阻害することが必要であった。この条件ではLBR、Emerinが分裂期中期、後期ともに染色体を取り囲むように集積するが、核輸送活性を示す核膜が効率良く構築されるのは後期染色体で観察される。核膜形成時の核膜孔構築効率の違いを反映していると予想され、実際に核膜孔複合体構成因子は中期染色体へ運ばれにくい。細胞質因子による違いではないため、染色体上の因子の違いを反映していると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
高活性の細胞質画分を安定して調製することが難しく問題点を解決できていないため、活性因子を生化学的に単離同定することができていない。しかしながら、反応前後のセミインタクト細胞の免疫染色、反応系への精製タンパク質の添加などによって、可溶化タンパク質の染色体への局在変化や指標となる核膜タンパク質の動態変化については解析を進めることができた。当初計画していた次年度の実験のいくつかを本年度実行することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は最終年度であるので、これまでの結果を基本として成果発表に向けた実験計画を実施する。細胞質調製の安定化については可能な範囲で実施する。その他は、これまで同様、セミインタクト細胞を用いたアッセイ系を利用して解析を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究実施場所が変わったが、これまでの試料や試薬を利用することができたため想定額を下回った。 次年度使用額分については、細胞培養関連消耗品と成果発表の際に必要な経費に充る。他は研究予定に沿って器具、消耗品、試薬等の購入に使用する。
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Research Products
(1 results)