2014 Fiscal Year Annual Research Report
核膜形成機構:オルガネラ形成を規定する膜タンパク質動態制御
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24570223
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
船越 智子(石井智子) 順天堂大学, スポーツ健康科学部, 特任研究員 (90318460)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 細胞核 / 核膜 / 膜タンパク質 / 核膜孔 / セミインタクト細胞 / 再構成 / in vitro |
Outline of Annual Research Achievements |
核膜構造は細胞分裂期に崩壊し膜自体は小胞体に吸収された後、娘細胞へ分配された染色体を足場として再形成される。ジギトニン処理によって得られた膜透過性分裂期ヒト培養細胞(セミインタクト細胞)を用いて、核膜タンパク質の局在変化を指標に核形成初期における制御因子の探索を試みてきた。分裂期染色体への核膜タンパク質の局在化には各核膜タンパク質によって異なる細胞質因子を必要とする可能性を示してきた。また、ラミンBレセプター(LBR)の染色体への局在化には分裂期のステージによって細胞質因子の依存性が変わること、PP1は細胞質制御因子の候補の1つであることを報告して来た。 一方、Emerinを分裂期染色体へ局在化させるには、分裂期から単離した細胞質画分とCDK活性を阻害、もしくホスファターゼの添加が必要で、このことは分裂期細胞質内のリン酸化状態を低下させる条件の必要性を示唆している。しかし、CDK活性を阻害し、さらにホスファターゼを添加すると局在化は阻害されたため、ある一定の低レベルのリン酸化状態もしくは、一時的なリン酸化活性がEmerinの分裂期染色体へ局在化に必要である可能性が考えられる。 本再構成系ではLBRの染色体への集積の後にEmerinの集積が観察される。再形成された核膜の輸送活性はEmerinが局在化して観察される。また、核膜孔構成因子群は分離前よりも分離後の染色体へより集積しやすい。これらの観察結果は、核膜タンパク質群、核膜孔複合体構成因子群がそれぞれ決まったステージで異なる制御機構によって染色体へ集積することで核膜が構築されることを示している。
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