2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24570235
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
山口 正晃 金沢大学, 自然システム学系, 教授 (60182458)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | Peronella japonica |
Research Abstract |
本研究の全体構想は、棘皮動物の進化をHox遺伝子の機能解析をとおして理解することである。棘皮動物は五放射相称という特異なボディープランをもつ。複数のグループがウニ成体原基でのHox遺伝子発現をしらべてきたが、その情報はいまだに断片的である。申請者は直接発生種ヨツアナカシパンを材料として、WMISH法によって世界で初めてHox遺伝子発現の全貌を明らかにした。この研究成果は現在投稿中である。本研究はこの先進性を機能解析によって進展させ、五放射体制の発生メカニズムを明らかにするとともに、五放射の基礎の局在(外胚葉か中胚葉か)を特定することを目的としている。 ヨツアナカシパン幼生の羊膜陥(成体外胚葉)においてHox1, Hox5, Otxが五放射状に発現する。一方、単離した動物半球は羊膜陥をつくり、そこでHox1とHox5が発現するが、Otxは発現しない。その後、羊膜陥は細胞死を起こす。この観察はHox1とHox5の発現が自律的であることを示すとともに、成体原基において中胚葉から放出されるシグナルがOtx発現と外胚葉維持に必要であることを示唆している。連携研究者の和田はヨツアナカシパン幼生のトランスクリプトーム解析を進めている。ゲノムが解読されているウニStrongylocentrotus purpuratusからシグナル伝達遺伝子を選抜し、その配列を用いてヨツアナカシパン幼生のトランスクリプトーム情報をBLAST検索した。次にそのヨツアナカシパンbest hit配列を用いてStrongylocentrotus purpuratusゲノムをBLAST検索し、reciprocal best hitする53遺伝子を選抜した。これらの遺伝子の発現部位を解析することによって、外胚葉ー中胚葉相互作用に関わる経路を同定する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
受精卵へのモルフォリノオリゴ注入によってHox遺伝子ノックダウンを試みたが、これまで顕著な表現型が得られていない。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、トランスクリプトーム解析と発現解析から成体原基における外胚葉と中胚葉の相互作用経路の同定を進める。一方、Hox遺伝子の機能解析については2つの視点から検討する。(1)モルフォリノオリゴによるノックダウン効果をこれまでの翻訳阻害ではなくスプライシング阻害から検討する。もしRT-PCR法によってその阻害効果がみられなかった場合、siRNAによるノックダウンを試みる。(2)中胚葉で発現するHox遺伝子は変態後におこる成体消化管の伸長と分化を調節している可能性が高い。これまで変態後の表現型は調べていないので、稚ウニを飼育する方法を確立するとともに、消化管のマーカーをトランスクリプトーム解析と発現解析から検索する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
今後の研究の推進方策からモルフォリノオリゴとsiRNAを合成するとともに大規模な発現解析に必要なWMISH試薬を購入する。
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