2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24570239
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
餅井 真 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 准教授 (90202358)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 傷表皮 / 再生 / アフリカツメガエル |
Research Abstract |
1) 傷修復および傷表皮キャップ形成過程の解析。 表皮細胞の標識および、組織化学的観察から、アフリカツメガエル幼生の傷表皮形成は、上皮構造を維持したまま、細胞シートの移動によりおきるということが、より強く示唆された。 2) 傷表皮特異的遺伝子発現。 傷表皮が多層化することにより形成される傷表皮キャップを単離し、逆転写PCR法により遺伝子発現解析をおこなった。その結果、FGF, Wnt, Bmp等複数のシグナル分子遺伝子が高発現することがわかった。また、転写因子であるgrainy-head like (grhl) -1, 2, 3が傷表皮 で強く発現することも明らかになった。 3 傷表皮と脊索との関係。 尾部に傷をつけ、傷表皮が形成されるだけでは、尾部再生に相当する脊索の伸長はおきないが、傷表皮の形成に加え、脊索と、筋肉組織の損傷が、再生の進行に必要であるらしいことが、標識した組織の移植実験からわかった
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
表皮細胞の蛍光標識によるライブイメージングは予定より進行が遅れているが、傷表非特異的遺伝子発現の解析と、傷表皮と脊索の相互作用に関する解析計画通り進んでいるため、全体としてはおおむね順調に進展している。ライブイメージングの進行が遅れている主な理由は、オタマジャクシの個体により表皮細胞の標識効率が著しく異なることと、良好な状態で生きた個体を長時間保持することが困難なためである。
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Strategy for Future Research Activity |
表皮細胞の標識によるライブイメージングについては、さらに方法の改良をおこない引き続きチャレンジする。傷表皮における遺伝子発現については、特異的転写制御因子である可能性があるgrhl-1, -2, -3にある程度集中し、その発現の詳細を明らかにするとともに、機能の解析にも着手する。また、アフリカツメガエル幼生の傷表皮形成過程を他の動物種と比較する目的で、イモリの尾部再生過程の組織学的解析もおこなう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
主要な経費は、実験動物、遺伝子解析試薬やキット、組織学的解析に必要な薬品など消耗品にあてられる。また、成果の一部発表と、情報収集のための旅費にも使用する。
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