2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24570239
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
餅井 真 兵庫県立大学, 生命理学研究科, 准教授 (90202358)
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Keywords | アフリカツメガエル / 再生 / 傷表皮 / 脊索 |
Research Abstract |
1) 傷修復および傷表皮キャップ形成過程の解析。アフリカツメガエル幼生の傷表皮形成が、上皮構造を維持したまま細胞シートの移動によりおこるこが示唆された。しかし、当初予想したような、表層のみの移動によるのではなく、基底層を含む移動によることが示唆された。 2) 傷表皮特異的遺伝子の解析。傷表皮特異的な遺伝子発現を引き起こすことができるxlES1遺伝子上流域について段階的欠損変異を作製して解析したところ、プロモーター近くの300 bp程度の断片でもある程度特異的発現を誘導できることがわかった。また、ES1遺伝子が、胚発生過程で必須の役割を担うこともわかった。傷表皮で発現する転写因子である3種のgrainy-head like 遺伝子の発現が、傷修復過程の異なるタイミングで発現開始することがわかった。 3) 傷表皮と脊索との関係。再生脊索で発現する遺伝子CLIC5が、胚発生過程では、脊索の分化に加え、眼、脳神経や内蔵でも重要な役割を持つことがわかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
傷表皮形成過程のライブイメージングに関してはあまり進展しなかったが、傷表皮で発現する遺伝子の解析は順調に進行しており、全体としておおむね順調である。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度までにあまり進展しなかったライブイメージングについて、新たに尾部の断片培養技術を取り入れることにより発展させる。傷表皮遺伝子については、アンチセンスオリゴや、ドミナントネガティブ遺伝子の過剰発現により、機能阻害実験をおこなう。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
ライブイメージングに使用するトランスジェニック個体の成長が予定より遅く、その解析を次年度に持ち越したため。 傷表皮で特異的にeGFPを発現するトランスジェニック幼生を用いてライブイメージングをおこなう。その過程で、アンチセンスオリゴや、特定のシグナルに影響する化学薬剤等を添加し、その影響を観察する。繰り越した予算は主として、アンチセンスオリゴ、薬剤等の消耗品に当てられる。
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