2014 Fiscal Year Annual Research Report
体内受精の成立に関わる精子運動開始機構の適応的進化に関する研究
Project/Area Number |
24570246
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
渡邉 明彦 山形大学, 理学部, 教授 (30250913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 絵理子 山形大学, 学内共同利用施設等, 准教授 (20337405)
中内 祐二 山形大学, 理学部, 助教 (60250908)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 体内受精 / 精子運動 / 機能進化 / 両生類 / 輸卵管 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊椎動物の進化において、両生類に生じた体外受精からの受精様式の多様化と体内受精の確立は、陸上環境への適応に大きく貢献したことが示唆されている。私たちがアカハライモリの卵外被であるジェリー層から単離・同定したsperm motility-initiating substance (SMIS)は、その作用機構が受精様式の多様化と体内受精の進化に関連して適応的に変化したことが示唆されている。本研究では、SMISの作用機構の変化の実体を調べ、受精様式の多様化と体内受精の進化に関連した分子機構の適応的な変化を明らかにする。 本年度は、前年度に行ったシリケンイモリ、モリアオガエル、及びイベリアトゲイモリに加えて、ヒキガエルの卵ジェリー層表層の微細構造を走査型電子顕微鏡により観察した。その結果、アカハライモリにおいてSMISが局在する顆粒がヒキガエルでは見られなかった。また、抗SMIS抗体を用いた免疫染色により、シリケンイモリの卵ジェリー層表層、及びモリアオガエルの卵外被の構成成分である輸卵管分泌物中の顆粒状物質に特異的な蛍光が観察された。 一方、1172 bpの転写領域を含む4794 bpのSMIS遺伝子塩基配列をゲノムウォーキング法により決定した。転写領域の上流にはTATAボックス、CATボックス等が見られたが、特徴的な転写調節配列は見られなかった。一方、RT-PCR法によって、SMISの転写がエストラジオールによって抑制的な調節を受けることが示された。 RNAseq法によりSMIS cDNAの塩基配列を解読することを試みた。その結果、SMIS cDNAと99.2%の相同性をもつ配列を含む1395 bpのcontig配列を得ることに成功し、RNAseqによるSMIS cDNAの同定が有効であることが示された。
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Research Products
(11 results)