2012 Fiscal Year Research-status Report
ハクサイ根こぶ病抵抗性modifier遺伝子の単離と機能解析
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24580015
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 |
Principal Investigator |
畠山 勝徳 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 野菜茶業研究所 野菜育種・ゲノム研究領域, 主任研究員 (60355625)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ハクサイ / 根こぶ病 / 抵抗性遺伝子 / DNAマーカー |
Research Abstract |
根こぶ病抵抗性遺伝子座Crr2が座乗すると考えられる444F2_19と314B6Fマーカー間の約18kbのゲノム領域には4つのORF(ORF1, 2, 3, 4)が推定された。ORF1は、5’側が絞り込んだ候補領域の外側に位置することから候補から外した。ORF2, 3, 4が存在する領域について、罹病性系統A9709のゲノム配列を決定し、抵抗性系統G004のゲノムと比較した。また、RACE法によって各ORFの非翻訳領域を決定するとともに、G004とA9709における発現を解析した。ORF2は、G004とA9709間で1アミノ酸のみが異なっており、何れの系統の根において発現が確認された。ORF3では、A9709において3’非翻訳領域に1.6kbの挿入があったが、G004とA9709間で10アミノ酸程度の違いはあったが、発現においても差異が認められなかった。ORF4では、A9709において5’非翻訳領域から第2エキソンの一部までの約590bpの欠失が認められた。このため、A9709においてORF4の発現は検出されなかった。ORF35おORF4が存在する領域の周辺において、G004とA9709の配列の違いが見出されたので、この2つのORFを候補とした。ORF3とORF4の全長cDNAをクローニングし、レタス・ユビキチンプロモーターの下流に連結したコンストラクトを作製し、シロイヌナズナに形質転換した。T3まで世代を進め、カナマイシン耐性の分離から、導入遺伝子がホモ型で固定した系統を複数得た。また、主動抵抗性遺伝子座であるCrr1上にあるCrr1a遺伝子のプロモーターの下流に候補ORFを連結したコンストラクトを作製するために、Crr1aプロモーターをクローニングし、その発現部位を解析した結果、Crr1aは全身で発現しており、根においては中心柱と皮層において発現していると推定された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
Crr2の推定座乗領域について、罹病性系統のゲノム配列を決定し、抵抗性系統と罹病性系統間の推定されるORFの塩基配列の比較、根における発現の比較を行い、候補遺伝子を2つのORFに絞り込んだ。候補ORFのcDNAの全長配列を決定し、レタス・ユビキチンプロモーターの下流に連結したコンストラクトを構築し、シロイヌナズナに形質転換した。導入遺伝子をホモ型にもつと考えられる系統を得ることができ、24年度の研究計画にある研究目標をおおむね達成できた。
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Strategy for Future Research Activity |
Crr2候補ORFを導入したシロイヌナズナとCrr1aを導入したシロイヌナズナとを交雑したF1に、病原型の異なる根こぶ病菌株Ano-01、Wakayama-01を接種し、抵抗性の有無を調査する。F2を採種し、Crr1aとCrr2候補ORFをホモ型にもつ個体を選抜し、次世代における抵抗性を調査する。また、Crr2候補ORFのゲノムクローンをCrr1aのプロモーター下流に連結したコンストラクトを構築し、シロイヌナズナとコマツナに形質転換する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本研究課題の推進のため、次年度の研究費は交付申請時の計画通り、物品費、旅費、人件費に使用する。なお、次年度の使用額15,395円は、研究費を効率的に使用した残額であり、次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する。
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[Journal Article] Identification and characterization of Crr1a, a gene for resistance to clubroot disease (Plasmodiophora brassicae Woronin) in Brassica rapa L.2013
Author(s)
Hatakeyama, K., Suwabe, K., Kato, T., Tomita, R.N., Nunome, T., Fukuoka, H., and Matsumoto, S.
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Journal Title
PLoS ONE
Volume: 8(1)
Pages: e54745
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] Molecular cloning of Crr1a, a gene for resistance to clubroot disease (Plasmodiophora brassicae Woronin) in Brassica rapa L.2012
Author(s)
Hatakeyama, K., Suwabe, K., Kato, T., Tomita, R.N., Nunome, T., Fukuoka, H., and Matsumoto, S
Organizer
VI International Symposium on Brassicas and XVIII Crucifer Genetics Workshop (ISHS Brassica2012)
Place of Presentation
University of Catania, Italy
Year and Date
20121112-20121116
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