2012 Fiscal Year Research-status Report
ナガイモ塊茎の形状成立に関わる機能形態と生理メカニズムの解明
Project/Area Number |
24580018
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
川崎 通夫 弘前大学, 農学生命科学部, 准教授 (30343213)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ナガイモ / アミロプラスト / ヤム / 塊茎 / 形態形成 |
Research Abstract |
ナガイモ類の塊茎は、形状が多様であり、同一品種・系統内でさえ形状が同じ環境下でも均一になりにくい性質を有している。そのため、商品価値が低く、収穫作業性を損なう‘形の悪い’塊茎が発生し、農業上の問題となっている。本研究者は、ナガイモ塊茎の頂端部に、重力方向へ沈降するアミロプラストが局在することを発見し、これらアミロプラストが塊茎形状の成立に寄与している可能性を報告した。本研究の目的は、1.「沈降性アミロプラストと塊茎形状の成立との関係性」を立証し、更に2.「植物ホルモンと塊茎形状の成立との関係性」も理解することで、未だ不明であるナガイモ塊茎の形状成立メカニズムを「形態」と「生理」の両面から包括的に解明し、塊茎形状制御のための学術基盤を構築することである。平成24年度の実施研究では、形状の異なる幾つかの品種・系統の塊茎における頂端部のアミロプラストの数量と分布の様式について形態学的、統計学的に調査し、沈降性アミロプラストと塊茎形状の成立との関係性について検証した。さらに、人為的に横倒し・倒置・回転の処理を行った形成中の塊茎を用い、処理後の塊茎形状の変動を調査し、かつ、塊茎頂端部のアミロプラストの数量と分布などの変動を形態学的、統計学的に調査することにより、沈降性アミロプラストと塊茎形状の成立との関係性について検証した。これらの調査から、沈降性アミロプラストが、塊茎の重力感受と形態形成に関与している可能性を支持する結果が得られた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成24年度の実施研究では、形状の異なる幾つかの品種・系統の塊茎、更には、人為的に横倒し・倒置・回転した形成中の塊茎を用い、塊茎形状とアミロプラストの数量・分布を調査することにより、沈降性アミロプラストと塊茎形状の成立との関係性について検証を進めることができた。これらの調査から、沈降性アミロプラストが、塊茎の重力感受と形態形成に関与している可能性を支持する結果が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
ナガイモ塊茎頂端部に局在する沈降性アミロプラストと塊茎形状の成立との関係性の検証を行うため、異なる形状の塊茎間で滑面小胞体とアクチンフィラメントの配置およびCa局在を比較し、沈降性アミロプラストを起点とする重力刺激の感受・伝達の仕組みの理解とその仕組みの差異が塊茎形状に及ぼす影響について調査する。更には、植物ホルモンが塊茎形状や沈降性アミロプラストの発現程度に影響を及ぼすのかを明らかにするために、塊茎内の各種植物ホルモン濃度が塊茎形状や沈降性アミロプラストの局在・数量と相関があるのかどうか調べ、また、形成中の塊茎頂端部に植物ホルモンやホルモン阻害剤を含ませた寒天板を接触させた際の塊茎形状と沈降性アミロプラストの局在・数量の各変動について調査する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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Research Products
(1 results)