2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24580022
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
東 哲司 神戸大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (30231913)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平野 達也 名城大学, 農学部, 准教授 (30319313)
笹山 大輔 神戸大学, 学内共同利用施設等, 助教 (20554249)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 洪水適応 / 野生イネ |
Outline of Annual Research Achievements |
南米野生イネOryza glumaepatula W1246系統は,冠水抵抗性は持たないが,伸長能力の高いOryza sativaの浮稲品種よりも深水環境下での節間伸長能力が高かった。この系統のSNORKEL(SK)遺伝子の存在を調べたところ,SK1とSK2の両遺伝子を共に有していることがわかり,アミノ酸配列の浮稲品種との相同性はSK1で90.7%,SK2で79.8%であった。 O. glumaepatula W1246の茎切片を深水処理すると,浮稲品種以上の節間の伸長が誘導され,浮稲に比べて2倍以上の濃度のエチレンが節間空隙内に蓄積した。しかし茎切片にエチレン処理すると,O. glumaepatulaの節間の伸長量は浮稲品種の1/2以下であった。またエチレンの反応阻害剤である銀イオン溶液で深水処理すると,浮稲品種では濃度依存の様式で節間の伸長は抑制されたが,O. glumaepatulaの節間の伸長はほとんど抑制されなかった。O. glumaepatulaの節間の伸長は,低酸素の混合ガスで通気することにより深水と同程度まで誘導され,その伸長はエチレンの生合成阻害剤を投与しても変化しなかった。O. glumaepatulaのSK1とSK2遺伝子は共に,エチレンにより節間で発現誘導されたが,低酸素ではほとんど誘導されなかった。 本研究により,南米アマゾン流域に自生する野生イネO. glumaepatula とO. grandiglumisは浮稲性を有することが明らかになり,その反応は共にエチレンをシグナルとして用いずに,今まで浮稲で知られている反応経路とは異なる経路であることを明らかにした。さらにO. grandiglumisにおいては冠水抵抗性もあり,これも冠水抵抗性品種で明らかにされている経路とは異なる反応経路を用いていることを明らかにした。
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Research Products
(3 results)