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2012 Fiscal Year Research-status Report

ダイズ種子への微生物塗布による湿害回避技術の確立

Research Project

Project/Area Number 24580023
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionTottori University

Principal Investigator

山口 武視  鳥取大学, 農学部, 教授 (30182447)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsダイズ / 植物生育促進根圏細菌 / 湿害 / 根の活性
Research Abstract

水田転換畑での作付けが多い日本のダイズ作で問題となる湿害を軽減するためには、耐湿性品種を用いるよりも根の活力を高く保つ栽培管理技術を適用することの方が重要であることを研究代表者は過去に指摘している。この根の活力には根の生理活性と根量の2要因が関わっており、ダイズでは根量が強く関与することもすでに明らかにしている。そこで、根の活力、特に根量を増大させる方策として、根の伸長に直接的、間接的に作用すると思われる植物生育促進根圏細菌の活用に着目した。
これらより、本課題では、(1)土壌の嫌気条件下でダイズ根を増大させる植物生育促進根圏細菌を探索すること、(2)それを用いて圃場レベルで根の活力を増大させることが出来るかどうかを検証すること、このふたつを目的として研究を遂行することとした。
平成24年度では、目的の(1)土壌の嫌気条件下でダイズ根を増大させる植物生育促進根圏細菌を探索するための実験を行った。すなわち、水田および畑地より採取した土壌を1/5000aワグネルポットに入れ、ダイズ(品種:サチユタカ)を播種した。処理として、第1本葉展開時に地上1cmまで湛水とした。毎日、第1本葉の葉色をSPADで測定し、葉色の低下が著しかった処理後10日目に根を掘り出し、その根圏に棲息する細菌を分離・培養した。具体的には、根圏土壌の付いた根を2 cm断片に切断し、滅菌水で洗浄後、100ml滅菌水中で激しく振とうして土壌懸濁液を調製した。この土壌懸濁液を段階希釈したものをキングB平面培地上に塗りひろげ、25℃で2~3日培養した。その後、出現したコロニーをそれぞれ斜面培地にて植菌し、5℃で保存した。
得られた根圏細菌からIAAを生産している菌を選抜するためにGordon-Weber法を用いてIAA生産能を測定した。
その結果、今年度は十分なIAA生産能を有する細菌を見つけることは出来なかった。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

当初の予定では、平成24年度中に、嫌気条件下で生育するダイズ根圏から有用細菌を得るためにスクリーニングを行うこととしていた。予定に従って、嫌気条件下でのダイズ根圏から細菌を分離・培養したのであるが、残念ながら、今年度は十分なIAA生産能を有する細菌を見つけることは出来なかった。
容易に有用細菌が見つかるものではないが、特に今年度は、圃場ではなくポットで栽培した根を対象とした。ポットでの栽培では、根域が制限されること、ポットに土壌を充填するために十分な乾燥処理を施したことなど圃場条件とは異なる環境とならざるを得ない。土壌微生物の動態は環境に影響されることも十分考えられることより、来年度はポット栽培ではなく、圃場栽培した根を対象に有用細菌の分離に精力的に取り組むこととする。
上記のような理由により、当初の予定よりも「やや遅れている」と自己判断した。

Strategy for Future Research Activity

平成24年度は昨年満足できる有用細菌を得ることが出来なかったので、圃場条件下でダイズを播種して生育させ、幼植物時に嫌気土壌環境を作出し、その条件で生育した根圏より有用細菌をスクリーニングすることとする。有用細菌のスクリーニング方法は前年度と同様で、単離した細菌が生成するIAA量に着目し、IAAの簡易な定量法である比色法を用いて、細菌のIAA生成能を調査する。そして、IAA生成が強い細菌をいくつか取り上げて、無菌的にダイズ種子に塗布し、寒天培地に置床して生育させ、5日後の発根長を測定する。無接種区と比べて有意に根が伸長している細菌を数種類選抜する予定である。
なお、これまで、寒天培地に置床したダイズの発芽が一定でなく、発芽しない個体も多く見られ、ばらつきが大きかったため、反復を10としなければいけなかった。これが実験遂行上のひとつのネックになっていたが、このばらつきの原因解明のための実験はすでに開始しており、おおむね良好な成果を得ている。従って、IAA生産能の優れた細菌を見つけ出すことが出来れば、あとは順調に実験が遂行できるものと確信している。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成24年度の残はわずかであるので、平成25年度の物品費として計上した1150千円とともに、ガラス器具や化学試薬および農業資材等を購入する予定である。
また、出張費として200千円計上し、資料収集および他の研究者との意見交換のための出張をする予定にしている。
加えて、実験補助のために謝金を50千円計上している。

URL: 

Published: 2014-07-24  

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