2014 Fiscal Year Research-status Report
熱ショックが園芸作物に誘導する抗菌反応のメカニズム解明
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24580035
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Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
佐藤 達雄 茨城大学, 農学部, 准教授 (20451669)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 国際情報交換 / インドネシア / 熱ショック / 植物病害獲得抵抗性 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 全身獲得抵抗性(SAR)と同時に誘導される別経路の病害抵抗性が存在する可能性の検証について,平成24,25年度までに組み合わせた作物,阻害剤,病原菌の組み合わせの中から,特に典型的なケースを抽出し,キュウリ,ゲルダナマイシン,灰色かび病菌の組み合わせを基本として実験を行った.その結果,予想に反して阻害剤との併用により強い病害抵抗性が誘導される組み合わせが確認された.このため,ゲルダナマイシンと同様の作用を持つ別の新規阻害剤を入手し,同様の実験を行ったところ,効果が弱いもののゲルダナマイシンと同傾向の結果となった.このため,そのメカニズムについてさらに検討を重ねた. 2. 熱ショックにより葉面に分泌される低分子抗菌物質の検索と同定について,平成25年度の研究を継続し,ハーブを用い,熱ショックによる抗菌性テルペノイド類の生成とその具体的な作用について検討した.平成25年度までの研究で,熱ショックにより特異的に増加し,かつ抗菌活性が認められたβ-セドレンやp-シメンについて生合成経路に関係する遺伝子の発現解析をリアルタイムRT-PCR法で行ったところ,熱ショック処理により前駆物質の生合成遺伝子の発現レベルが上昇することが確かめられ,このため熱ショック処理が抗菌物質精製に有効に作用しているものと考えられた.以上の結果を園芸学会で発表するとともに実用技術系の国際誌に投稿したところエディターズリジェクトとなり,編集者より基礎研究系の雑誌に投稿するように勧められたため,現在,投稿に向けて再編集中である. 3. 熱ショックにより葉内に生成する高分子抗菌物質の抽出と同定について,ペルオキシダーゼの生成について熱ショック処理後に葉内に生じる活性酸素の消長とともに検討した.その結果,熱ショック処理後,ペルオキシダーゼの生成ならびに活性が大きく変化することを見いだした.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1. 全身獲得抵抗性(SAR)と同時に誘導される別経路の病害抵抗性が存在する可能性の検証について,当初予想とは異なる結果が得られているが,平成27年度においてその予想メカニズムについて提案できる予定である.このため自己評価による当初目標に対する達成率は70パーセント程度とする. 2. 熱ショックにより葉面に分泌される低分子抗菌物質の検索と同定について,所期の結果が得られ論文の受理を目指している.論文が受理されれば自己評価による当初目標に対する達成率は100パーセントとする. 3. 熱ショックにより葉内に生成する高分子抗菌物質の抽出と同定について,ターゲットが決定した段階であり,自己評価による当初目標に対する達成率は50パーセント程度とする.
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度前半で,現在進展中で想定外の結果が得られている全身獲得抵抗性(SAR)と同時に誘導される別経路の病害抵抗性のメカニズムならびに熱ショックにより葉内に生成する高分子抗菌物質の抽出と同定について,すみやかに実験を遂行し,論文の投稿を早期に済ませ今後の研究継続について努力したい.現在,人件費を活用しており,速やかに進捗を心がけている.
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Causes of Carryover |
「全身獲得抵抗性(SAR)と同時に誘導される別経路の病害抵抗性が存在する可能性の検証」について,当初の予想とは反対の結果が得られたため,再現実験の実施や当初予定にない新規薬剤の利用などを試みたこと,「熱ショックにより葉面に分泌される低分子抗菌物質の検索と同定」において最終確認のための遺伝子発現解析に時間を費やしたことでマンパワーが不足し,他の実験量が当初見込みより少なくなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
人件費,謝金を効率的に運用して県境を加速するとともに論文投稿に重点的に使用する.
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Research Products
(3 results)