2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24580038
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
山根 健治 宇都宮大学, 農学部, 教授 (60240066)
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Keywords | 切り花へのCA処理 / 収穫後生理 / エチレン / 日持ち |
Research Abstract |
本研究では短期のCA処理とエチレン阻害剤(1-MCP)がカーネーション、ユーストマ、キク切り花の品質に及ぼす影響について検討した。切り花を5℃の部屋において、CO2 濃度 10%, 15%または20% で2時間処理し、1μL•L-1 1-MCP処理を行った後に、23℃の部屋で鮮度・品質を評価した。対照区のエチレン生成量は最大で13.1 nL·g-1·h-1を示したが、15% or 20% CO2 のCA処理と1-MCP処理はエチレン生成を低下させ、切り花の日持ちをカーネーションでは10日から13日に、ユーストマでは8日から10日間にそれぞれ延長した。しかし、キクの場合は、対照区でも14日間の日持ちを示し、これらの処理はキク切り花には影響しなかった。これは、キクの花はエチレン感受性が低いことによると考えられた。 更に高濃度の50% CO2 処理を行う簡易装置を作成して、実験を行った。 50% CO2 、5°Cの予冷処理、0.2 ppm エチレン処理がカーネーション‘Pink Montezuma’ and カトレア“Lc. Spring Clima × Christina” に及ぼす影響について調査した。カーネーションとカトレアの切り花に 5°C の予冷下で、50% CO2 を12 時間および24時間処理したところ、切り花のエチレン生成量と呼吸を低下させ、日持ちを6日から8日間、7日から12日間へそれぞれ延長した。23℃室温下での50 % CO2 を24時間処理したところ、花弁の褐変などの生理障害が誘導された。しかし、生理障害は5℃では抑えられた。これらの結果から、短期高CO2 処理は切り花のエチレン生成を抑え、老化を抑制する方法として有効であることが示唆された
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遺伝子発現の解析において、サンプルのRNAの抽出は行っているが、RNAseqの方が準備中である。装置のセッティングなどが遅れたためである。現在は実験に入れる体制が整ってきた。
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Strategy for Future Research Activity |
・高CO2処理後の花組織からRNAを抽出し、ライブラリーを作成して、次世代シーケンサーを用いたRNAseqを行い、高CO2処理により特異的に発現の多い遺伝子群を特定し、花の中で起きる代謝変化について明らかにする。 ・特異的に発現する遺伝子を抽出し、リアルタイムPCRを行い、相対的な発現量を求める。 ・主要品目における高CO2 濃度と時間など条件の最適化を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
消耗品の使用がやや遅れたため。 次年度に消耗品として速やかに使用する。
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Research Products
(1 results)