2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24580038
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Research Institution | Utsunomiya University |
Principal Investigator |
山根 健治 宇都宮大学, 農学部, 教授 (60240066)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 園芸学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では出荷前の高CO2,低O2および低温の組合せによる短期間のCA処理により花きの鮮度を保持する方法を試み,その作用機作を生理学的に解明することを目的とした。実験1では小規模スケールとして,CO2マルチインキュベーターを使用してカーネーションをCO2 20%で12時間処理すると鮮度保持効果が認められたが,48時間処理した場合に小花の褐変などの障害が発生した。 ナデシコ属のソネット‘マリア’において,CO2 50%または60%の短期高濃度処理を行ったところ,全ての処理区で対照区よりも花持ちが延長される傾向にあり,60%CA区において有意な差がみられた。 最終年度は50% CO2 ,予冷処理,0.2 ppm エチレン処理がカーネーション‘Pink Montezuma’ に及ぼす影響について調査し,RNAseqを行い,遺伝子の変動を調査した。短期高CO2 処理によりカーネーション切り花のエチレン生成量と呼吸を低下させ,日持ちを延長した。一方,23℃での50% CO2 処理での日持ちは8.4日であり,高CO2 処理は低温下でのみ効果が認められた。RNAseqのために22のライブラリーを作成し,次世代シーケンサーにより56,382 contigs が得られた。処理間の遺伝子発現量を対比すると,23℃での高CO2 処理が他の区に対して遺伝子発現の変動が大きかった。特にペルオキダーゼやデヒドロゲナーゼのような酸化還元に関する遺伝子群の発現促進や抑制が認められた。 以上のことから,高CO2処理はエチレン生成を抑制するとともに,呼吸を抑制し,酸化還元に関する遺伝子発現を変化させて花弁の品質に影響することが示唆された。短期CA処理の効果は花の種によって効果が異なること,適切な処理濃度と時間を設定することの重要性および処理中の空中湿度を高く保つことの重要性が示唆された。
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Research Products
(1 results)