2012 Fiscal Year Research-status Report
単為結果性トマトの低温による肥大停止遅延現象の解明
Project/Area Number |
24580041
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
片岡 圭子 愛媛大学, 農学部, 准教授 (80204816)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | 単為結果 / トマト / インベルターゼ / クライオミクロトーム / 低温耐性 |
Research Abstract |
1. 糖代謝酵素活性の組織化学的検出法の開発 材料には非単為結果性トマト品種を用い,合成オーキシン処理を開花時に行い,開花1週間目~2週間目の果実を用い,凍結ミクロトームを用いて,生鮮試料から8~10μm程度の切片を切り出すことができた.しかし,Millerら(1992)の方法により酸性インベルターゼ活性を検出しようとしたが,NBTの青色沈殿は検出できなかった. 2.‘Micro Tom’にpat-2を導入したpat2MT系統の作出 矮性トマト‘Micro Tom’に単為結果性遺伝子pat-2を導入した系統を作出するために,交配したBC2F1世代を栽培して自殖し,得られた種子(BC2F2)58個体から,矮性・心止まり・単為結果性の個体(pat2MT)35個体を選抜した.このうち17個体の花粉を‘Micro Tom’に戻し交雑してBC3F1種子を得た.また選抜した個体(BC2F2)のうち果実重の比較的大きい10個体については,栄養繁殖して維持した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
平成24年度は7月に所属を異動したために,実験機材と栽培施設が当初予定と変わり,全般的には予定通りに研究を進めることができなかった.予定していた低温栽培条件下での単為結果性品種と非単為結果性品種との比較に関しては,圃場の準備ができず遂行できなかった
|
Strategy for Future Research Activity |
研究環境が当初予定と変わったので,まず糖代謝酵素活性検出法の確立について重点的に実験を行う.凍結ミクロトームを用いて,生鮮試料から8~10μm程度の切片を切り出すことができるようになったので,今後は,糖代謝酵素活性の検出方法を確立するために,固定方法(固定段階,固定液の組成,固定温度,処理時間),インベルターゼ活性検出方法(酵素反応液組成,緩衝液組成および濃度,反応温度・時間など),およびスクロースシンターゼ活性検出方法(酵素反応液組成,緩衝液組成および濃度,反応温度・時間など)について最適条件を決定する. pat2MT系統の作出については世代を2世代進めることができ,個体間の生育のばらつきも小さくなってきた.また学内の研究費で温度処理が可能なインキュベーターが整備できたので,BC3F2個体のうち単為結果性個体を数個体えらび,栄養繁殖して用い,緑熟後の低温遭遇が果実の発達に及ぼす影響を,BC3F2のうちの非単為結果性系統と比較する.低温処理は昼温16℃,夜温8℃,日長12時間で2週間とし,開花後2週間目から2週間毎に処理開始時期の異なる処理区を設定する.処理終了後は加温温室内で管理し,処理開始時,処理終了時,処理終了1および3週間後の果実について,組織切片を作製し,糖代謝酵素活性の局在,細胞の大きさを測定する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度は7月に所属を異動したために,実験機材と栽培施設が当初予定と変わり,全般的には予定通りに研究を進めることができなかったため,約25万円を使用できなかった.平成25年度は,この額を含めて,酵素活性検出法の確立のための試薬,供試材料を維持するための栽培資材,冬季栽培における加温設備の設置と運用に65万円,学会での口頭発表旅費に6万円,実験補助に4万円程度の支出を予定している.
|