2012 Fiscal Year Research-status Report
常緑性ツツジと落葉性黄花ツツジとの遠縁交配で得られた後代の黄花退色化現象の解明
Project/Area Number |
24580047
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
|
Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
嬉野 健次 琉球大学, 農学部, 准教授 (10333759)
|
Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
Keywords | ツツジ / カロテノイド / CCD |
Research Abstract |
常緑性白花ツツジ(ミヤマサツキ)と落葉性黄花ツツジ(キレンゲツツジ)との亜属間交配で得られたF1個体の黄花色退色化現象の要因を明らかにするために,今年度は花弁発育に伴うカロテノイド含量の変化およびカロテノイド成分の遺伝について調査した.まず,開花前日の花弁には,キレンゲツツジで30μg/gFW,ミヤマサツキで1μg/gFW,F1でその中間の10μg/gFWのカロテノイドが含まれていた.色素組成は,キレンゲツツジでβカロテン,ルテインが主要色素であり,ミヤマサツキではルテインが多かったもののβカロテンはほとんど含まれていなかった.F1は,両親の中間の色素組成を示した.花弁発育に伴い,キレンゲツツジでは色素含量および組成の変化はみられなかったが,ミヤマサツキおよびF1では含量が低下し,開花5日後にはほとんどなくなった.また,F1では発育に伴い,キサントフィル類の割合が増加した. 次に,degenerate PCRおよび5',3'-race法を用いてカロテノイド生合成および開裂(分解)に関与する遺伝子の単離を試みた.現在までのところ,F1の開花前日花弁より,開裂酵素CCD1の全長配列,およびキレンゲツツジ開花花弁よりカロテノイド合成に関与する遺伝子のうちIPI, DXS, GGPS, PSY,PDS,CRISTO, LCYB, HYBの部分配列を単離した.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,色素組成の調査および関連遺伝子群のクローニングを計画していたが,色素組成の調査については,計画した通りに進んでいる. 関連遺伝子群のクローニングに関しては,部分配列の解析まで進んでいるが,全長配列まで至っていない, これらの点から,やや遅れていると判断した.
|
Strategy for Future Research Activity |
まず,これまでに部分配列を明らかにしているカロテノイド生合成遺伝子群について,5'および3'race法を用いて,全長配列を決定する. すでに全長配列を決定しているCCD1については,リアルタイムPCR法を用いて花弁発育ステージごとの遺伝子発現量を解析し,花弁発育に伴うカロテノイド含量の減少との関連性を調査する.さらに,前述のカロテノイド生合成遺伝子群についても,全長配列を明らかにしたのちにリアルタイムPCRを行い,花弁発育に伴うカロテノイド含量の減少との関連性を調査する.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
部分配列のみを明らかにしているカロテノイド生合成遺伝子群について,全長配列を明らかにするためのrace法およびシークエンス解析のために使用する.
|
Research Products
(2 results)