2013 Fiscal Year Research-status Report
常緑性ツツジと落葉性黄花ツツジとの遠縁交配で得られた後代の黄花退色化現象の解明
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24580047
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
嬉野 健次 琉球大学, 農学部, 准教授 (10333759)
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Keywords | ツツジ / クロモプラスト / クロロプラスト / カロテノイド / CCD |
Research Abstract |
常緑性白花ツツジ(ミヤマサツキ)と落葉性黄花ツツジ(キレンゲツツジ)との亜属間交配で得られたF1個体の黄花色退色化現象の要因を明らかにするために,今年度は花弁発育に伴うカロテノイド色素組成の変化を葉と比較した.その結果,キレンゲツツジにおけるカロテノイド色素の集積は,クロロプラストからクロモプラストへの変化に伴うβ,βカロテノイド類の割合の増加に起因することが示唆された.また,F1実生でも,花弁の発育に伴いβ,βカロテノイド類の割合の増加がみられたことから,カロテノイド色素を集積するためのクロロプラスト→クロモプラストの変換が生じていると思われた. 次に,degenerate PCRおよび5',3'-race法を用いてカロテノイド生合成および開裂(分解)に関与する遺伝子の単離を試みた.現在までのところ,F1の開花花弁より,開裂酵素CCD1およびCCD4の全長配列,およびキレンゲツツジ開花花弁よりカロテノイド合成に関与する遺伝子のうちIPI, PSY,PDS,ZDS, LCYB, HYBの全長配列およびGGPS, CRISTO, Lcyeの下流配列を単離した.また,IPI,PSYについては,もう片親のミヤマツツジについても全長配列を単離した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
カロテノイド色素分析に関しては,当初の計画通り,終了している. 関連遺伝子群のクローニングに関しては,全長配列の解析まで進んでいる遺伝子が11遺伝子中8遺伝子とおおむね進んでいることから,順調であると判断した.
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Strategy for Future Research Activity |
全長配列のクローニングが終了していない遺伝子については,クローニングを終了させる.さらに得られた,配列をもとにプライマーを設計し,リアルタイムPCRにより,各遺伝子の発現解析を行う.得られた結果をもとに,退色化現象の要因を考察する.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
5'RACE法用にデザインしたプライマーでの増幅が一部の遺伝子ではうまくいかず,シークエンス解析のためのクローニングが遅れたために,シークエンス解析用の費用が次年度使用額として残った. 新しく設計したプライマーにより,増幅はうまくいっているので,クローニング終了後,ただちにシークエンス解析を行う.シークエンス解析用費用として用いる.
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Research Products
(1 results)