2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
24580056
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
間 竜太郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 花き研究所花き研究領域, 上席研究員 (60355716)
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Keywords | 花卉 / 周縁キメラ |
Research Abstract |
平成24年度に作出した蛍光タンパク質遺伝子を導入したキク形質転換体と対照の非形質転換体を用いて、キク外植片の癒合条件を検討した。大量に実験材料が得られる葉片を外植片として使用した。適切な植物ホルモンを含む固体培地上で葉切片の切断面を接触させて培養を行うと、培養開始から3日後に癒合が生じ始め、5日後にはピンセットで持ち上げてもすぐには取れない程度に、7日後にはしっかりと癒合していた。癒合した外植片を、癒合部分をはがすように離すと、相手の外植片由来の細胞が切断面に存在していた。すなわち、遺伝的に異なる細胞が部分的に存在し、かつ、一体化している状態の外植片が得られた。トレニアにおいてもキクと同様の手法を用いて形質転換体と非形質転換体の癒合条件を検討したところ、培養開始から12日間程度で癒合が生じた。これらの結果から、キク、トレニアともに、材料の確保・調製が容易な葉片を外植片として用いることにした。遺伝的に異なる細胞が混在する状態の外植片を再分化用培地で培養したところ、キク、トレニアともにシュートは生じたものの、キメラ状のシュートは得られなかった。シュート再分化は癒合部分以外から生じており、癒合した異種細胞が混在する部分から異種細胞を含む形でシュートを再分化させるには、何らかの選抜圧を加えることが必要と考えられた。そこで、非形質転換体由来外植片の周囲に形質転換体由来細胞が混在している状態の外植片を、形質転換体由来細胞が抵抗性を有する抗生物質を含む再分化培地で培養した。その結果、形質転換体由来細胞と非形質転換体由来細胞がモザイク状に混在する細胞塊を作成することに成功した。現在、この手法を用いて作成したモザイク状細胞塊からの不定芽再分化に取り組んでいる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
形質転換体由来細胞と非形質転換体由来細胞がモザイク状に混在する細胞塊の誘導条件を明らかにしたものの、トレニア、キクともに周縁キメラ植物の獲得には至っていない。このため、当初の計画よりもやや進捗が遅れている状態である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度までに、トレニア、キクともに、外植片の癒合条件、選抜圧としての抗生物質の利用など、モザイク状細胞塊の誘導条件を明らかにした。最終年度となる平成26年度は、キメラ個体の再分化条件とスクリーニング手法の検討を進め、周縁キメラ植物の獲得を目指す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額18,929円は、研究費を効率的に使用して発生した残額である。 次年度使用額は、次年度に請求する研究費と合わせて研究計画遂行のために使用する。
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