2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24580056
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Research Institution | National Agriculture and Food Research Organization |
Principal Investigator |
間 竜太郎 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 花き研究所花き研究領域, 上席研究員 (60355716)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 花卉 / 周縁キメラ |
Outline of Annual Research Achievements |
平成25年度までに、キク、トレニアにおいて、外植片の癒合条件、選抜圧としての抗生物質の利用など、形質転換体由来細胞と非形質転換体由来細胞がモザイク状に混在する細胞塊の誘導条件を明らかにした。 平成26年度は、キメラ個体の再分化とスクリーニングを進め、周縁キメラ植物の獲得を目指した。癒合処理後、選抜圧を加えた再分化条件で培養すると、培養開始から2-3か月後にモザイク状カルス由来のシュートを含むと考えられる再分化シュートが得られた。キクにおいてのべ996本、トレニアにおいてのべ357本の再分化シュートを作出した。蛍光を指標に用いてキメラ性を判別した結果、キクにおいて、区分キメラ様の再分化シュートが1つだけ得られた。なお、トレニアにおいては、キメラ状態の植物は全く得られなかった。区分キメラ様のキクのわき芽由来シュートを繰り返して伸長させることにより、安定した周縁キメラの作出を試みた。まず、不完全周縁キメラ(部分的に周縁キメラ状態の区分キメラ)と思われるシュートが得られ、さらに繰返しわき芽由来シュートを伸長させたところ、L1層のみ、および、L3層のみ蛍光を有すると思われる個体が得られた。L1層のみ蛍光を示すキクは、葉や茎の表皮細胞やトライコームが蛍光を示す一方、内層細胞や根は蛍光を示さなかった。L3層のみ蛍光を示すキクは維管束部分を中心とした内層細胞の一部や根が蛍光を示す一方、葉や茎の表皮細胞やトライコームは蛍光を示さなかった。これらの個体のわき芽由来植物の蛍光分布も同様であることから、各々安定して周縁キメラ状態を維持していると考えられた。 本研究を通して、キク培養植物の外植片の癒合と再分化を介して周縁キメラ植物が得られることを実証した。蛍光タンパク質遺伝子を選抜マーカーとして用いるキメラ植物の選抜手法は、キク以外の植物種における周縁キメラ作出にも応用できると考えられる。
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Research Products
(1 results)