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2014 Fiscal Year Research-status Report

光によるニホンナシ休眠と耐凍性の制御は可能か?-機構解明から技術開発への展開

Research Project

Project/Area Number 24580057
Research InstitutionNational Agriculture and Food Research Organization

Principal Investigator

伊東 明子  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 果樹研究所 栽培・流通利用研究領域, 主任研究員 (30355383)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2016-03-31
Keywords光 / ニホンナシ / 休眠 / 耐凍性 / LED
Outline of Annual Research Achievements

ニホンナシを対象に、枝伸長停止期から休眠導入期にかけて青色光、赤色光、遠赤色光をLED光源により夜間連続照射し、花芽の休眠ステージ進行や耐凍性強度に及ぼす影響を検討した。その結果、花芽が枯死する限界温度を指標とした花芽の耐凍性強度、および凍結した枝組織からの電解質漏出率を指標とした枝の耐凍性強度については、ともに光照射による一定の傾向が認められなかったことから、光照射は耐凍性強度にほとんど影響しないと考えられた。一方、10月から開花期まで連続して光照射を行った場合、光の種類により開花率や芽あたり小花数が異なったことから、光は休眠覚醒に影響を及ぼしていると考えられた。
また、休眠ステージおよび耐凍性の進行は、遺伝的にプログラムされたプロセスと考えられるが、これらの進行に与える光の影響をより適切に評価するため、休眠関連遺伝子(Dormancy Associated MADS等)、低温感応関連遺伝子(FLC等)、および環境耐性関連遺伝子(PR等)の発現変化を2013年度のサンプルを用いて調査したところ、2012年度に認められた青色光による発現上昇は認められなかった。一方、花成に関連するFT, LFY, Apetala1の遺伝子発現が赤色光および青色光照射により上昇する一方、TFL1遺伝子の発現が減少した。2014年度のサンプルの解析は、期間を延長し、2015年度中に実施する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度に実施予定であった、光質がニホンナシの休眠ステージ進行や耐凍性獲得に及ぼす影響の評価は予定通り実施できた。

Strategy for Future Research Activity

当初の2カ年は、枝伸長停止期から休眠導入期をターゲットとして光照射処理を行ってきたが、光照射は休眠導入や、休眠最深期の耐凍性獲得にはほとんど影響せず、むしろ休眠覚醒から開花期にかけての休眠ステージ進行に影響していると考えられた。そこで今後は、ニホンナシに青色光、赤色光、遠赤色光の照射を行い、休眠導入から覚醒までのステージ進行を光によって制御する技術の開発を目指す。

Causes of Carryover

研究開始当初は、光照射により休眠導入期から最深期(10月~1月)にナシの休眠や耐凍性が変化すると想定していたが、2012年度はこの時期の休眠や耐凍性は光照射により変化しなかった。2013年度は光照射期間を休眠導入期から開花期(10月~4月)まで延長したところ、休眠状態が大きく変化した。2014年度も光照射を2014年10月~2015年4月まで行ったため、2014年度中に試料の遺伝子発現解析が実施できず、解析にかかる費用に未使用額が生じた。

Expenditure Plan for Carryover Budget

このため、2014年10月~2015年4月の光照射期間に採取した試料の解析(試料解析人件費:50万円(25万円/月×2ヶ月)および試薬代:30万円)と、その成果発表(論文執筆・投稿費:20万円、および学会参加・発表:20万円)を27年度に実施することとし、未使用額はその費用に充てることにしたい。

URL: 

Published: 2016-05-27  

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