2013 Fiscal Year Research-status Report
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24580067
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹下 稔 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 助教 (00304767)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 成人 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 准教授 (10211533)
土屋 健一 九州大学, (連合)農学研究科(研究院), 教授 (40150510)
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Keywords | Cucumber mosaic virus / 2b / HC-Pro / Local interference |
Research Abstract |
これまで,サリチル酸蓄積を阻害する形質転換Nicotiana benthamiana(ベンタミアナ)やArabidopsis thaliana(シロイヌナズナ)の各種抵抗性関連遺伝子変異体を用い、CMVとTuMVとの混合感染初期に誘導される局所的宿主抵抗性はサリチル酸(SA)系シグナル伝達経路に大きく依存することを明らかにした. これまで、2bにはCMVの非維管束系細胞への移行に促進作用があること,またHCProにはCMVを維管束系細胞において高濃度に蓄積させる働きがあることがベンタミアナにおいて判明している.今年度は,TuMV RNAにコードされるHC-Proと2bの組織特異的な機能発現の検証を目的として,HC-Proあるいは,2bを発現するベンタミアナ形質転換体に野性型組換えウイルス,2bを欠失させた組換えウイルスを接種し,蛍光顕微鏡観察により2つのRSSの組織特異的活性能を調べた.その結果,野生型CMVを感染させるとSAの蓄積が上昇するが、JAの蓄積には著しい変化がないこと,2bを欠失させたCMVが感染してもSAの上昇が認められないことが観察された.さらに、蛍光タンパク質発現CMVを接種したところ,HC-Pro発現ベンタミアナでは野生型ベンタミアナと比較して,移行増殖に顕著な差異が認められなかった.また,2bを発現するベンタミアナ形質転換体に2b欠失CMVベクターを接種したところ,野生型ベンタミアナよりも強い蛍光が観察された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)CMV感染およびTuMV感染によって誘導される局所的宿主基礎抵抗性の解明についてはSAシグナル伝達系の深い関与を発見しており,(2)HC-Proと2bの組織特異的な機能発現の検証についても蛍光タンパク質発現ベクターを多用することで解析が進んでいるため.
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Strategy for Future Research Activity |
(3)ウイルスの維管束移行に関与する2bの未同定機能の検証について ArabidopsisにCMV RNA1と2bタンパク質欠損組換えRNA2のみ,あるいはCMV RNA1と3aタンパク質発現組換えRNA2等の組合せを用いて粒子化しないCMVの接種試験を行い,2bタンパク質のウイルス移行タンパク質としての機能を探る.さらに,CMVの各遺伝子産物とFLAGタグした2b(2b-FLAG)間のin vitro相互作用はYeast two-hybrid assayによって検討する.また,in vitro翻訳系を用いてCMVの各コードタンパク質と2b-FLAGを発現させ,免疫沈降(IP)法を用いて両者間の直接結合を解析する.さらに,in vitro翻訳系を用いて発現させた2b-FLAGとCMV RNA1, RNA2, RNA3との結合能をFLAG 抗体を用いたIP法によって調べる.以上の結果から,ウイルスRNA,3a,そしてCPとは独立した,あるいは関連したウイルスRNAの維管束移行に関与する未同定機能を明らかにする.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究研究が当該年度科研費執行完了前に順調に進んだため。 次年度の試薬購入ならびに成果発表に使用する。
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