2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
24580070
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Research Institution | Meiji University |
Principal Investigator |
大里 修一 明治大学, 農学部, 講師 (30533228)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | イネいもち病菌 / 相同組換え / DNA二本鎖切断 / 病原性変異 |
Outline of Annual Research Achievements |
イネいもち病菌の変異機構を解明するために「DNA二本鎖切断」と「相同組換え修復機構」に関する解析を進めてきた.これまでの知見から,本菌のゲノム多様性はトランスポゾンなどの反復配列を起点とした相同組換えによるゲノム再編により誘導される可能性がみえてきた. 1) 糸状菌型人工ヌクレアーゼによるDNA二本鎖切断導入系の構築 初年度実施のI-Sce Iによる実験系を受け,トランスポゾン近傍など任意配列に二本鎖切断を導入するために,糸状菌型人工ヌクレアーゼPlatinum Fungal TALENs(PtFg TALEN)の構築を行った.本系による標的遺伝子の破壊を確認するため,シタロン脱水素酵素遺伝子(SDH)を標的として,SDH上流および下流の領域間に薬剤耐性遺伝子を挿入したSDH破壊ベクターとPtFg TALENを本菌へ共導入した.得られた薬剤耐性菌ゲノムを解析したところ,すべての薬剤耐性菌において標的遺伝子が薬剤選抜マーカーと置換されていた.この結果は相同組換えを介した標的遺伝子置換効率が極めて高いことを示し,本菌の通常の遺伝子置換効率と比べ,大幅にその効率の向上に成功した.これらの成果は論文にまとめ報告した(DOI: 10.1002/bit.25559). 2) 相同組換え修復系に関わる基本因子の探索 DNA二本鎖切断と相同組換え修復に関わる出芽酵母のホモログ情報などから,DNA修復・組換え経路の制御因子として知られているSrs2 DNAヘリカーゼのホモログ遺伝子を本菌より単離後,機能ドメインに分割して酵母ツーハイブリット法によって既知の組換えタンパク質との相互作用を確認した.続いて,欠損変異させた∆srs2株に対し,SDH破壊ベクターとPtFg TALENの共導入して,その標的遺伝子置換効率から相同組換え修復能を評価したところ,本菌Srs2ヘリカーゼは相同組換え修復に重要な役割を担っていることが示唆された.今後は病原変異の発生そのものを抑制するための足掛かりとして,Srs2の解析を進める予定である.
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Research Products
(13 results)