2013 Fiscal Year Research-status Report
スズメバチが作るシルクの人工タンパク質生産と天然マユ構造の再構築
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24580086
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Research Institution | National Institute of Agrobiological Sciences |
Principal Investigator |
亀田 恒徳 独立行政法人農業生物資源研究所, 新機能素材研究開発ユニット, ユニット長 (70334042)
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Keywords | 昆虫新素材 |
Research Abstract |
昨年度の成果として、スズメバチの幼虫が作るマユ(ホーネットシルク、以下ではHSと略す)について、HSを構成している4種類のタンパク質(Vs1~4)を人工的に合成することに成功した。本年度は、タンパク質の大量生産に向けた培養条件の更なる効率化を検討する傍らで、HSに細胞接着機能を有するペプチド(Arg-Gly-Asp-Ser (RGDS))を導入することで、ホーネットシルクの機能性付加についての検討を行った。 実験の結果、HSを構成するタンパク質の1つであるVs1の全長のN端にRGDSを付加したタンパク質の培養に成功した。培養したタンパク質をフィルム化し、フィルム表面への細胞接着活性を調べたところ、RGDS付加による細胞接着性の顕著な向上が認められた。HSの持つフィルムとしての優れた物性を兼ね備えた新素材としての可能性が拓けた。この成果は日本シルク学会誌にて発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
昨年度にVs1~4タンパク質の培養が全て成功し、予定を上回るペースで研究が進んだことから、本年度は培養条件の更なる効率化の検討をしつつ、当初の計画を超えた機能性を付与したHSの培養にも踏み込んで検討を行った。その成果は論文として公表した。計画していたVs1~4タンパク質の構造解析についても順調に進んでおり、最終年度には論文として公表することを計画している。
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Strategy for Future Research Activity |
培養したVs1~4が天然HSと同様の構造と物性を有しているかを示すことが今後の課題となる。HSの構造の特徴であるαヘリックス構造や表面物性について調べ、比較検討を行う。具体的には、培養したVs1~4をそれぞれフィルム状に成形し、成形物と天然HSの構造をFTIRや固体NMRを用いて解析し比較する。さらに、フィルムの表面物性を接触角やζ電位測定によって評価し、天然HSとの比較を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
培養して得たタンパク質の構造解析は順調に進んでいるが、当初H25年度に計画していたNMR解析をH26年度に変更した。これによってNMR測定に関わる試料管、安定同位体試薬等の高価な消耗品が本年度中に購入されなかった。これによって、次年度使用額が生じた。NMR解析はH26年度に予定通り計画している。 研究費は、構造解析のための分光測定に必要な消耗品、大腸菌培養に関わる試薬などの消耗品。各種の機能評価に必要な消耗品などを購入する費用に企てる。また、研究の進捗によっては、一時的に研究補助員を雇用して培養等の作業補助を依頼するための賃金にも使用する。さらに最終年度なので論文発表や学会発表に関する費用としても使用する予定である。
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Research Products
(3 results)