2014 Fiscal Year Annual Research Report
施設園芸における養分動態の解明と養分管理概念の新提案
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24580092
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
三枝 正彦 豊橋技術科学大学, 先端農業・バイオリサーチセンター, 特任教授 (10005655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
熊崎 忠 豊橋技術科学大学, 先端農業・バイオリサーチセンター, 特任助教 (90531541)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | 重窒素トレーサー法 / 硝酸態窒素 / 養液組成 / リン酸集積 / 植物工場 / 炭酸ガス施肥 / 光合成環境 / LED |
Outline of Annual Research Achievements |
施設園芸の養分実態と新しい養分管理法を検討し、以下の成果を得た。 ①愛知県内のハウス土壌を調査し、高いEC、塩基飽和度と硝酸、リン酸、カリ、苦土の過剰集積、及びマンガン、鉄、銅、亜鉛欠乏状態が明らかになった。既存の研究を含めるとリン酸の過剰集積は深刻な状態であり、菊栽培では下葉の枯れ上がりが見られた。②浄水用ポリシリカ鉄で、ハウス土壌のリン酸過剰集積改善を試みたところ、有効態リン酸を低減させると共に、可給態鉄を大幅に向上させ、また可給態銅、亜鉛含量も改善した。③硫安コート肥料、種子同位置設置シードテープを開発し、ハウス土壌における葉菜の硝酸の低減とアスコルビン酸含量の向上を行った。④低照度下の人工光型植物工場で栽培されたロメインレタスやフリルレタスの硝酸含量は5050-8000ppmを示し、全てEUの規制値5000ppmを超えていた。⑤正常の生育下で、水耕液組成を検討し、レタスの硝酸含量は既存の園試処方6450ppmに対して、1/5硝安区は1375ppm、1/10塩安区は923ppmと著しく低減できた。同様な傾向はホウレンソウでも得られたが、食用ビートなどでは低減率の低いものがあった。⑥重窒素追跡法で検討したところ1/5硝安区で栽培したフリルレタスとロメインレタスの吸収窒素の6-7割が、20日ダイコンの約5割がアンモニア態窒素であり、アンモニアが硝酸と同等あるいはそれ以上利用された。⑦トマトの光合成量はCO2濃度700ppmまでは直線的に増加したので、パッド&ファン無稼働時は600pppm、稼働時は400ppmになるように管理し、12月移植の統合環境制御栽培で我が国大玉トマトとして10アール当たり50.6tを初めて達成した。⑧以上を総合し、施設園芸では三大要素はN-K-Ca、培地の硝酸濃度の低減、CO2施肥など、土地利用型農業とは異なる土壌肥料的管理法を明らかにした。
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