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2012 Fiscal Year Research-status Report

ゲニステインで初期誘導されるダイズ根粒菌多剤排出ポンプの共生における役割

Research Project

Project/Area Number 24580099
Research Category

Grant-in-Aid for Scientific Research (C)

Research InstitutionObihiro University of Agriculture and Veterinary Medicine

Principal Investigator

大和田 琢二  帯広畜産大学, 畜産学部, 准教授 (90211804)

Project Period (FY) 2012-04-01 – 2015-03-31
Keywordsbradyrhizobium / genistein / multidrug efflux pump / tetR family
Research Abstract

マクロアレイ解析により、ゲニステインで強く誘導発現することが見出されたダイズ根粒菌(Bradyrhizobium japonicum)ゲノム領域(BjG30)の遺伝子発現量を定量的RT-PCRで調べた。その結果、多剤排出ポンプに関わる遺伝子など12個の遺伝子で最大214倍の発現が確認され、マクロアレイの発現プロファイルとよく一致していた。しかし、ダイゼインでは顕著に発現せず、ゲニステインによる誘導発現がダイゼインで抑制されたことから、ゲニステインとダイゼインは構造が類似した、根粒菌の共生過程で機能する代表的なフラボノイドだが、BjG30の誘導発現はゲニステインでのみ生じ、ダイゼインで競合的に阻害されることが明らかになった。次に、ゲニステインで顕著に発現した4つの代表遺伝子(bll7019, bll7025, blr7027, blr7029)の誘導発現量をゲニステイン等の5-ヒドロキシフラボノイドとダイゼイン等の5-デオキシフラボノイドで比較した。その結果、5-ヒドロキシフラボノイド(ビオカニン、ケンフェロール、ケルセチン、アピゲニン、ルテオリン)では顕著な発現が見られたが、5-デオキシフラボノイド(フォルモノネチン、グリシテイン、クメストロール)では見られなかったことから、BjG30は主に5-ヒドロキシフラボノイドで強く誘導発現されることが明らかになった。更に、ゲニステイン誘導時間と濃度の発現への影響を調べた結果、発現は誘導5分で始まり、15分で最大に達すること、及び発現量は濃度に依存することが明らかになった。共生に重要な根粒菌のnodulation(nod)遺伝子(nodW, nodD1)の発現は誘導15分で見られ、時間とともに増加傾向を示し、発現量は濃度に依存しなかったことから、BjG30の発現プロファイルとは全く異なることが示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

宿主ダイズから放出されるフラボノイド化合物(ゲニステイン)によって強く誘導発現するダイズ根粒菌(Bradyrhizobium japonicum)遺伝子領域(BjG30)の中で、特に多剤排出ポンプの共生における役割を明らかにするため、当該年度は、遺伝子発現プロファイルの解析を目的とし、以下1)~3)の研究計画に対する結果を得た:1)構造が類似した代表的なフラボノイドであるゲニステインとダイゼインによる遺伝子発現プロファイルの作成を計画した。その結果、ゲニステインにより多剤排出ポンプに関わる遺伝子など12個の遺伝子で最大214倍の発現を確認したが、ダイゼインでは顕著な発現が見られず、むしろゲニステインによる発現を競合的に阻害することを明らかにした。2)ゲニステインで顕著に発現したBjG30の代表遺伝子を用いて、ゲニステイン等の5-ヒドロキシフラボノイドとダイゼイン等の5-デオキシフラボノイドによる発現量の比較を計画した。その結果、多剤排出ポンプに関わる遺伝子を含むBjG30の遺伝子は、主に5-ヒドロキシフラボノイドで誘導発現することを明らかにした。3)ゲニステイン誘導時間と濃度の発現への影響を調べることを計画した。その結果、多剤排出ポンプに関わる遺伝子を含むBjG30の遺伝子は、誘導5分で始まり、15分で最大に達すること、及び発現量は濃度に依存することを明らかにした。更に、共生に重要な根粒菌nodulation(nod)遺伝子(nodW, nodD1)の発現と比較し、BjG30の発現プロファイルとは全く異なることも明らかにした。以上、多剤排出ポンプに関わる遺伝子を含むBjG30の遺伝子の誘導発現プロファイルが明らかになり、研究の目的はおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

現在までの達成度はおおむね順調に進展しているため、今後の研究は、交付申請書に記載した研究実施計画に従って推進する計画である。即ち、ダイズ根粒菌(Bradyrhizobium japonicum)BjG30遺伝子領域の主に多剤排出ポンプに関わる遺伝子の破壊株を構築し、遺伝子破壊株を宿主ダイズに接種することによって形成された根粒の着生数と窒素固定活性を親株と比較する。また、遺伝子破壊株の感染競合能を評価する。更に、マクロアレイ解析により、遺伝子破壊が共生関連遺伝子群の発現に及ぼす影響を調べ、宿主ダイズから放出されるフラボノイド化合物のゲニステインによって、特異的に強く誘導される遺伝子領域(BjG30)、特にダイズ根粒菌多剤排出ポンプの共生における役割を明らかにする計画である。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

該当なし。

  • Research Products

    (1 results)

All 2012

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] ダイズ根粒菌のゲニステイン誘導遺伝子の破壊と共生における役割2012

    • Author(s)
      大和田 琢二(代表者)
    • Organizer
      植物微生物研究会
    • Place of Presentation
      神戸大学(兵庫県)
    • Year and Date
      20120925-20120927

URL: 

Published: 2014-07-24  

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