2012 Fiscal Year Research-status Report
ヘテロ接合性消失を利用した2倍体焼酎酵母の1ステップ遺伝子破壊法の開発
Project/Area Number |
24580118
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
玉置 尚徳 鹿児島大学, 農学部, 准教授 (20212045)
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Project Period (FY) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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Keywords | ヘテロ接合性消失 / 焼酎酵母 |
Research Abstract |
申請者は、これまでに焼酎酵母において形質転換が可能なこと、PCRにて増幅したカナマイシン耐性遺伝子(Kanr)により対立遺伝子のうちの一方を破壊できること、またヘテロ接合性消失(LOH)が可能なことを見出してきた。24年度には、LOHを誘発する要因について検索を行った。すなわち我々がこれまでに開発したLOHの頻度を測定できるシステムを用いて酵母の各種処理によるLOHへの影響を調べた。本システムは、焼酎酵母の2つのURA3遺伝子(ウラシル生合成に関与)のうち片方をカナマイシン耐性遺伝子(Kanr)で置換した株を用いて、各種薬剤や物理的処理の後、FOA(5-フルオロオロト酸)を含むプレートに塗り広げて培養を行い、出現したコロニーの数よりLOHの頻度を算出するものである。URA3遺伝子産物は、FOAを毒性物質に変換するためURA3遺伝子を持つ株は生育できないが、URA3遺伝子が欠失した株は、FOAを含むプレートで生育できる。すなわち、URA3/Kanrを持つヘテロな株でLOHが生じるURA3/URA3あるいはKanr/Kanr株となるが、このうちKanr/Kanr株はFOAプレートに生育できるためそのコロニー数よりLOHの頻度を算出できる。その結果、紫外線照射とヒートショック処理において有意に LOHの頻度の上昇を認めた。さまざまな条件検討を行った結果、紫外線を30秒照射後、YPD液体培地にて回収し、さらに24時間振とう培養することで、数十倍の効率でLOHが生じることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
24年度の目標は、ほぼ達成できている。焼酎酵母ゲノム情報の整理に関しては継続して進行中である。
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Strategy for Future Research Activity |
24年度は、研究実施計画にそってほぼ達成できていることから、25年度に関しても研究実施計画をもとに着実に成果を上げていきたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
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